意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

長い

思っていることを書けばいいんじゃない? と上司に言われメールをしたら
「あっつ......長いね」
と言われた。長い物を熱いと感じてしまう類の人のようである。つまりラーメンや鍋焼きうどんなんて熱くてとても食べれないが、ペンネならいける、というクチである。ムカついたが私ももうくたくたで、長い物にはすすんで巻かれたい気分だったので黙っていた。そうしたら「もういいよ」ということになって私は安堵した。

どうしてもあまり人に聞かれたくない電話をする機会が増え、人気のないところすなわちこの時期ならクーラーのない場所となって、寒がりの私もさすがに暑さにこたえてきた。人に聞かれたくないなんて、自意識の極みであるが、私はこのようにしてたとえ仕事中でも思春期の若者のような感性を保つのである。受話器がぬるぬるして気持ち悪い。相手の声が小さくなったので、「壊れた?」と思ったら私が喋っていたから向こうは黙ったのだ。あと私が携帯を持ち始めた頃はまだまだ電波が弱くて、家の中はドコモ以外圏外で、私はIDOだったからわざわざ外にでて電話をしなければならなかった。私の家は日陰が多くて蚊がたくさんいたから、私は車に乗り込んで電話をした。車の中も暑かった。それで電波が悪いと
「ポポポ、ポポポ」
という音がして、それを無視するとやがて電話は切れるから、私は急いで電波の良さそうなところに移動しなければならないが、昨今は雨後の竹の子のように電波塔がにょきにょき生え、通話に困ることはほぼなくなった。しかし私の勤め先は相変わらず電波が悪く、この前ひさしぶりに、
「ポポポ、ポポポ」
というから、「んだよ」と思って倉庫内をぐるぐる回っていたら、それはキャッチホンだった。