意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

私の生きてきた

もしかしたら昨日の続きのような話になってしまうが私が十代のころはちょうど1990年代と重なりそのころは盛んに「心の豊かさが」と言われた。物質的な豊かさが増えるのと裏腹に心が貧しくなったと言うのだ。あと「お金よりも大切なものがある」と盛んに言われた。大切なものはそのときの文脈で変わったが大体は命だった。フィクションで金に目がくらんで命を落とすというシチュエーションがよくあった。「そんなバカなことがあるもんか」とそのたびに思った。


ところでカールが今夏に食べられなくなると聞いて家族がカールを買い求めている。今日は群馬まで買いに行きチーズ味をひとつとカレー味を二つ手に入れたようだ。カレー味は車の中で食べた。ひとつなのでまだひとつ残っているらしかった。私は家にいたので見ていない。この先食べられるチャンスがあるのかわからない。実家に行くととんがりコーンがありとんがりコーンは一方大丈夫なのかと思った。しかしカールにしてもとんがりコーンにしても私が子供のころに食べていたものとは違うのだ。これらのパッケージは昔はこんなにツヤツヤしていなかったと思う。


今の時代は「心の豊かさ」なんてまず聞かない。みんなほんとうに貧しくなってしまったからだ。そういうことを見ないことにするかそれこそお金儲けとうまく結びつけられてしまった。私が十代のころは信じられないが「お金は大事ですよ」と聞くとほんとうに意外なかんじがしたし読み物もそういう意外性を意識した書き方がされていた。それが「カイジ」という漫画で兵藤和尊が「金は命よりも重い」と言い(これも金よりも大事なものがあるの言い換えだが)あと「金持ち父さん貧乏父さん」でひっくり返った。ひょっとしたら私が思うほど時代は変わっていないのかもしれないがこれから自分よりも若い人としゃべるときはこの違いを意識しなければいけないと思う。


私よりも10歳下の人はおそらく「個性」という言葉に強調された思い出があるように思う。個性が大事なのでそれに振り回されるのである。もう今もそうかもしれないが今後誰も個性が大事なんて言わないだろう。だから今の私のように私の10歳下の人もびっくりするのだろう。