意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

郵便局にいかちい人がいた

妻の履修届を出しに郵便局に行った 春から妻も通信制の学校へ通うという 私の指導した「小論文」が功を奏したようである 履修に際して私も資料に目を通した 大変複雑だった 自分ごとではないから理解するのに労を要した 学生課に問い合わせることを提案したがかんじが悪いから話したくないそうである これが実際の大学だのなら授業というのは場所と時間が明確だから現実的に火曜日に10個も授業は取れないとかわかるのだが通信だと埋めるかんじがないから取りすぎなのか取りなさすぎなのかイマイチぴんとこな


私は私の考えを示したが妻はその後妹や友達にラインで聞いて履修届を作り上げた 私の考えは最初からどうでもいいのだが私もそれはわかっているから特に文句を言おうとも思わなかった 妻は私よりも断然「形」を大事にするタイプなのである あるいは私が形をないがしろにしすぎるタイプなのかもしれない


そういうわけで私は市内の郵便局の「本局」へやってきた 駅前のいちばんおおきなところである 隣には公園があって桜とホームレスが見頃である 締め切りにはまだ数日あったが妻はとにかく「本局」へこだわるタイプだった 私が以前どこか適当なポストに投函したら「あんなところ集配にくるのか? と怒られたことがある 集配にこないポストという発想が私にはなかった 私の通った小学校には敷地内に古いポストが置いてあってそれは使われていない物だったがそれは投函口がセメントです塞がれていて遣われていないのは明らかだった だから通りに面して側面に集配時間等が記載された赤いポストはとりあえず機能していると考えてもいいと思っていた だからどこで出しても同じというのが私の感覚だった 妻の感覚は宝くじは買う場所によって当たる確率が変わるというのに近いのかもしれない 私は確率だのを考えるのが面倒だから宝くじは買わない


郵便局に行くと私の前にいかちい人がいて局員に自分宛の荷物が届いていないかしつこくたずねていた カウンターに肘をつき友達に話すような口振りだった 局員がつれない大度だったので「じゃあ意味ねーじゃん」とか言って諦めて帰っていった いかちい人だからいかちい車に乗っているのかと思ったら軽自動車だった しかし助手席の窓には高そうなカーテンが下がっていてカーテンは端でまとめられたが上側に垂れ下がったひだがいかにも上品であった