意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

意識

通勤電車内で座席に眠っていた私はふと目を覚ました 隣の人にもたれかかってしまったと思いあわてて顔をあげて確認すると私がもたれかかっていたのは私の右の二の腕だった 私はグレーのメッシュ地のパーカーを着ていた それは騎士の着るくさりかたびらみたいだなと前から思っていた


顔を上げると目の前に男の賃金労働者が3人並んでいた 高さ的に股間がちょうど私の目の前にくる形であった 私は彼らのちんこがどの辺りにおさまっているのだろうかと見つめてみた わからなかった みんな股上の浅い細身のズボンである みんな若いのかと思って上半身を見たら20代と30代と40代というかんじだった そのうちの20代は「品の良い人がしていること」みたいな本を読んでいた また同時に耳に音楽を刺していたが音漏れがすごく宇多田ヒカルみたいな歌が聞こえてきた 私は「そういうとこだぞ」と思った 電車内の音量としては普通なのかもしれない 私は音楽を耳に刺すことはランニングのときくらいしかしないしそれも耳にかけるヘッドホンみたいなやつで刺したりしない 私は耳の穴が小さいのかイヤホンがフィットしないのである


音楽がうるさいのはいただけなかったがそういう人が「品の良い人」みたいな本を読んでも変ではない その手の本は娯楽でありなったつもりになれるのが醍醐味だから