意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

サザエさんち

子供の運動会に行ったら風が強くてとなりのテントがぐわんぐわんと揺れアニメ「サザエさん」のエンディングでシルエットのみになったサザエさん一行が高床式の家に吸い込まれてその勢いで家そのものも大きく揺れる様を連想した 年々運動会にテントを持ち込む家族が増えている私の家のもあるがこれは義母が新聞屋からもらった簡易的なもので今日の強風で早々にぺちゃんこになった 他と同じじゃないと落ち着かない妻は運動会にくるたびに「うちもテント買う?」と聞いてくるがそのたびに「あと○年だから」とかわしている キャンプはおろか野外バーベキューすらしないのに買っても無意味だと思う おそらく私が子供のころよりも日差しは強烈になっているが少しでも日陰になるような場所を選んで敷物を敷くのだ それでも午前中はもっても昼過ぎから日差しから逃れられなくなる膝頭が熱くなってきて見上げると木の枝の先から太陽が出掛かっている 座っている場所をずらして太陽から逃れる 一年でいちばん太陽の角度を気にする日である まるで日時計にでもなったような気分だ


もうあと何年かしたら子供は小学校から出て私はもうこの先一生太陽の存在を意識しなくなるのかもしれない 私は日焼けがしやすく自分から日差しに出る性格ではない また子供の運動会も見ていて楽しいとも思えない 人はイヤイヤやらされる行為の方が人生の経験としては純度が高い 何故なら誰もが惰性で動くからである