意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

20年

ネットを見ていたら1900年頃のアメリカの道路には馬車しか走っていなかったがそれから20年齢経ったら自動車とってかわっていたという記事が写真とともに出ていた そういえば何年か前に父がトラクターを買い換えそのときに「今度のトラクターは屋根もエアコンもついている」と話していて私はまったくイメージできなかったことを思い出した


それまで私が知っていたトラクターは屋根などなかった しかし今では田んぼの中を走るとみんなコクピットみたいなガラスの箱の中でトラクターを操縦している もしかしてそういうガラスの箱をコクピットというのだろうか 20年か知らないがある日を境に風景はがらっと変わってしまう そして変わったあとはそれまでどんなだったか忘れてしまうのである 私はしかし昔のトラクターのかんじはよくおぼえている 幼いころトラクターに乗るのが好きで祖父母の家に行くとガレージの中でブルーシートをかけられたトラクターに無理に乗ろうとしてブルーシートの内側に潜り込んであのビニールのニオイをよくおぼえている 私は背もたれのない小さな座席が好きだったのである 私は今では乗り物の類はたいてい嫌いだがその頃はマメトラとかそういうのも好きだった


今時期の田んぼは田植えをしたかしないかだがたいていのところにはもう水が入れられておりそれが風景を反射しさながら水の都といった趣となる 夜には途切れ途切れの街灯を反射しディズニーランドのカリブの海賊を乗り終わったあとに見えるレストランの風景に似ていて気分がいい この前アニメの「かぐや姫」を見ていて草や土などの自然が好きになった あの映画は見る度に自分の中の何かが立ち止まった感覚に陥る お爺さんは愚かだが憎めなくて良い