意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

初夏

今の職場になってから初夏が各段に好きになった 理由を挙げると水を張った田んぼが鏡のように風景を反射してその中を車で走ると爽やかな気分になるからだ 少しすると稲が伸びてもう何も反射しない 今はそうなったのでまた来年が待ち遠しい 他の季節は暑かったり寒かったりちょうど良かったりの繰り返しだ


今年は春先がバタバタしていて体調が良くなかった 花粉症が5月を過ぎても緩和せず加えて腸の調子が悪かった 運動があまりできず寝起きで腰が痛くなった 白髪も増えた カミソリ負けもする 義父母が墓を買った そのためあまり初夏を楽しめなかったように思う 短い初夏だった 5月にプールに入れれば最高なのにと小学二年のとき先生と話した その先生はその年で定年退職してもう30年以上経つからたぶん死んでる 知っている人が知らないところで死ぬのは奇妙だ 子供のころ体が弱くて入退院を繰り返しそこの看護婦に対して退院時に「もう一生会わないのかもな」とかんじるのも奇妙だ 太い柱の病院だった あるいは大人になってお父さんのチンコが小さく見えるのと同じように柱も普通の柱だったのかもしれない


私のカルテは分厚く、大きなインクの染みがついていた