意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

カレンダー

家に帰ると強い風がふいていて窓辺のカーテンが食卓のテーブルまでふくらんで混ぜご飯の桶にかぶせてあったラップを吹き飛ばした 混ぜご飯はご飯に混ぜるだけのやつだが妻は大ざっぱな性分なのでご飯の白いぶぶんと具の茶色がいつもまだらになっていて私はそれを抱えて白がもっと散らばるようしゃもじをぐりぐりする

台所の壁を見やるとそこにかけられたカレンダーもふわっとなっていて私はふと昔バカドリルで読んだ「カレンダーの間に頭を挟まれないよう注意!」というイラストを思い出した ちょうどこんなふくらみに頭がはまり込んで血を流す男性のイラストであった 他には馬の尻尾にカレンダーを結びつけて引っ張ってめくったり薙刀で古い月を切り落とす絵などがあった 全体でカレンダーのめくり方を取り上げているページであった 同じ本の真ん中には「文鳥の握り方」を延々と書いているページもあった


台風がジグザグな雨を降らし帰る直前にざーっときたらすぐにやみ車に乗ったら降ったりやんだりした 家についたらどっちだろうと思ったら「天国・地獄・針の山」みたいだと思った 私の名は6文字だからひたすら針に突き刺されるのであった