意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

途中式(24)

革靴を履いたら足が痛くなった 足というか股関節の外側が痛い 駅で弟に会った 弟のメカニズムというかホームでわき腹を小突かれて反射的に振り向きながらこれは意図的に小突いたものだ・誰だろうか・会社の知り合いか・などと思いを巡らせながら弟の顔を見ると一瞬は仕事関係の人に見える しかしすぐ次の瞬間は弟と認識し「おー」となるのである 唐突に来月子供が産まれることを告げられた その子供もあと20年か30年かしたら駅で誰かに小突かれて親類が一瞬他人に見える瞬間を味わうのだろうか 私は鴨下といっしょだった 私は弟に鴨下に名刺を渡すよう促した 鴨下は名刺を会社に置いてきたので代わりに私の名刺を渡した 私はいつも名刺をいくつか財布に入れているのである 鴨下は角がくしゃくしゃになるからいれないと言い訳をした 


それから電車が目的地についた 天気がぐんぐん悪くなった 改札前のガラスからロータリーを見下ろして振り返ったら待ち合わせの人たちがいた 予想よりも大勢いたが知らない人はいなかった それからロータリーに行ってザ・中国人みたいな名字の人を紹介され名刺を交換した 


暑いところと寒いところを行ったり来たりした というと謎々みたいだ