意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

雨のにおい

妙に暖かい日で冬から春に変わるときの生ぬるい日に似ていた 暗くなったときに外に出ると4月の夜に似ていた 高校2年のときに宅配便の仕分けのバイトを夜10時までして帰るときに高速のインターを通りながら最初の頃は寒かったのに徐々に暖かくなってだんだん暑いくらいになったのを思い出した 確か敷地内に桜の植えられた工場があって花は早々に散ったが暖かくなるほうが余程嬉しかったことをおぼえている しかし今は12月だ 春はまだかけらもない


会社の後輩が「雨のにおいがすごい」と騒いだ まだ降っていなかったがこの後降るのだそう 彼の母は数年前に自殺したのだと人づてに聞いた 雨のにおいの嗅ぎ分けを教えたのは母親だったのではないかと勝手に想像した 問題は私が彼のことが嫌いであり会って2週間もしたら完全に嫌になった