意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

毛布みたいな猫

帰り道に猫が死んでいると思ったら毛布だった そういう柄の猫がいそうな柄の毛布であった 煮物のような毛布である それが中央分離帯のそばで丸まっていて追い越し車線を走っていた私はおどろいた たくさんの車が走行車線から私を抜いた 私の車がのろいというかのろい車の後ろを走っていた 私は考え事をしていたから自分が遅いのは気にならなかった 考え事をしながら運転するのはよくないと思いそんなときは音楽を聞いた シンバルの真ん中の盛り上がったぶぶんをカップというがそこを叩くと甲高い音がする 私はその音が品がなくて好きでなかったが今日は小気味良く聞こえた 私は橋を走っていた 煮物のような猫を見たのは橋を渡り終えてからだった そういえば最近動物の死骸を見ていない気がする 通勤路の一部が通行止めになってからだ ひどいときは鳥の死骸もよく見たのに