意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

人間やめる

振ってかかる仕事量が私のキャパを超えて早数年、半年前からタスク管理についての本を読み、タスクを管理するようになった。それまでは私からしても周りからしても明らかに仕事があふれかえっており、締め切りを守らないのが通常だった。「締め切りを守るのはむずかしい」と正直に言うと「じゃあいつまでならできる?」と質問されるのが常なので、適当な日にちを決め、過ぎたら謝るほうがずっとコスパがいいと気づき、とちゅうからそうしていた。振ってくる方も忘れることも大半なので、忘れ去られたらラッキーだった。そうして私はやりたい仕事だけをやっていた。あともうひとつのテクニックとしては、とりあえず手をつけてつまづいた状態で放置すると見栄えがいいというのがある。


しかしこれは私の配属先が全体的にカオスだったからできたわざであり、徐々にそれが変わってきている。つまりやる気になれば終わる仕事が増えてきたのである。私のキャパと仕事のレベルの釣り合いがとれるタイミングが増えたと言い換えてもいい。去年もむちゃくちゃな仕事はあったが、振ってきた方が先にKOされるというラッキーゴールがあったので有耶無耶にすることができた。手が届くようになるとなんとかしようとするのが人の性である。


とりあえずやるべきことを書き出すだけである。そしてそれをいつやるか予め決めるのである。おかげで書き漏れたものはいつまでも放置されるようになった。今はいろんなツールがあって仕事を消化すると行を消せるのでそれが気持ち良く、逆に消せない仕事はまったくやりたくなくなるのである。スケジュールも組むので進捗の遅れがすぐにつかめるようになった。これができるようになると今までよく感覚でできていたなと思うようになる。


スケジュールを決めると気が乗らない仕事も躊躇している場合じゃない、となってすぐ取り組むようになる。その後があるから遅れてはいけないのである。それはとてもいいことのように思えるが、私は人間味が失われたようで味気ないかんじがする。だんだんと仕事以外でもやることリストを作成しそれを消化するようになると人間をやめてしまったような気にすらなる。だらだらとしているときが一番人間味がある。