意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

哲学ゾンビにでもなったのかしらん

一昨日の夜に電車に乗っていたら風がとても強くて高架を走る電車だったので
「安全のためにゆっくり走ります」
ということでゆっくり走っていたのでダイヤが大幅に乱れていた。車内は混んでいて基本的に人々はスマホを眺めながらむっつり黙っていたがずっとおしゃべりしている男性二人組がいてうるさかった。会話の内容から察するに同じ職場に属しているものの同じ部署というわけではなくそれほど親しいわけではない。完全に打ち解けてはいないからお互いの感情のツボがわからずにさぐり合っている状況だ。つまり控えめなジョークにオーバーなリアクション、という状況だ。片割れの笑い声が独特の引き笑いで私は途中からうんざりした。絶対にそこまで面白い話ではないからお愛想が半分なのである。私が相手なら話すこと話すことここまで笑ってくれれば気持ちいいのかもしれないが、端で聞いている分にはうるさくて仕方がない。一生懸命外の風景に意識を向けたが、いつもと流れる早さが違うそれは、普段とはまるで違っていた。


昨日はひさしぶりに実家に行ってビールを飲んだ。しゃべるのは妻や子供ばかりなのでぼんやりしていたら、段々とここにいる私が感情も失った哲学ゾンビになった気がしてきた。そもそもかつてここで寝起きをしたという実感も薄くなり勝手に他人の記憶を刷り込まれただけの気がしてくる。