勤め先が火事になる夢を見た。室内の角っこが燃えていた。誰かが消火器で火を消そうとしている。それが誰だかわからない。怖い夢だったので早く目が覚めた。二度寝しようかと思ったがそのまま早く出勤した。昨日も今日も快晴で幸せだった。学生がとても多い。小学生と高校生がいた。高校生の学ランが立ち尽くしていて枯れ木のようなたたずまいだった。早く家を出るとこういう光景も見れるのだな、と思った。早く会社に着くとジジイがいて、ジジイというのは以前は違う人でその人はとうの昔に辞めさせてしまった。こぶとり爺さんとか花咲か爺さんとかの隣家に本当に住んでいそうなジジイだった。主張が激しいし弁も立つのでみんな手を焼いていた。若い社員が感情的になってやり込められるのを私は隣で見ていたことがある。すっかりジジイの言葉の罠にハマったかんじだったので私は「あちゃー」と思った。若い社員も被害者のような書き方をしたが丸い眼鏡をかけていて新渡戸稲造みたいだったがエスティマに乗っていてチンピラのような男だった。仕事がフェアじゃないとか言い出して最後は口汚い言葉を撒き散らして辞めていった。そういえばジジイもフェアがどうとか言っていたしそういう主張をする人は多い。それを「フェアの罠」と名付けよう。仕事はフェアである必要はないし尺度によって変わるものをそろえるのはナンセンスである。しかしフェアである必要があるという誤魔化しを作用させ、自分の立場を有利に進めようとする人がいるのである。
ジジイの話はこれくらいにしよう。火事の夢を見た私はいつもより早く出勤し、さっそく上司にその話をした。上司はとても驚いていた。私は実は話さなかったが勤め先のある人が炎をかぶって重傷になってしまっていた。意識はかろうじてあったが声も出せないので煙か炎にだいぶやられてしまった具合だった。それでも私は死なないだろうなと思っていた。遠くから救急車のサイレンが聞こえてきてこれで搬送されて行くんだろうと思ったところで目が覚めた。目が覚める前に倒れている重傷者の周りで子供がうろちょろしていた。小学校低学年くらいの男児で私の知らない子供だった。勤め先なので子供がいるのは変だった。その子供が重傷者の足のあたりでちょっかいをかけるので流石にそれはどうかと思い私は男児を引き離すことにした。軽いので力任せに引っ張り、気をそらすために何か遊びをあみ出しているところで目が覚めた。起きてから男児は死神だったのではないかと思った。