意味をあたえる

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世間とのズレ

学校で好き嫌いをする児童に教師が給食を無理に口に押し込んで嘔吐させるという事件があって私の地域では教師が比較的若いせいなのかこの前も小学四年の子供が
「先生は野菜全般が苦手で食べない」
と報告してきたりそういえば上の子が中学のときもソフト部の顧問でもある自衛隊みたいな女教師が
「私、キノコ類だけら駄目なんだあ」
とあっけらかんとカミングアウトしてまさかこういう教師が生徒に対して食べ物の好き嫌いを厳しく指導するとは思えない。そういうズレをかんじた。しかし私は当たり前のように人は自分の出来ないことを他人には強要しないだろうと考えているがこここそズレで実際は自分のことを棚に上げ「反面教師にしろ」とキノコや野菜を食わすのが一般的な指導なのかもしれない。もっと最低なパターンとして野菜嫌いは許容するが肉や麺類が嫌いなんて理解できないから食うべしと自分を基準にしてしか物事をとらえられないパターンであるが食事こそわかりやすいが案外こういうことは思想とかそういうのでありそうだ。


私は「俺は野菜がダメなんだ」と堂々とするのもどうかと思う。この教師は若い男でのっけから「今年から高学年なんだからビシビシ厳しくやるぞ」と息巻いたらしいが野菜も食えないんじゃ腰砕けである。そもそも「厳しく」なんて最初からそんな意気込んでちゃ途中で息切れしちゃいますよと思った。子供だって馬鹿じゃないから最初の勢いが消えると「なんだこいつ大したことないな」と思って下に見るようになる。尻上がりの人はそうはならない。私がそうだった。私は子供のころは大人に厳しくて言ったほどのない人は心中で馬鹿にしていた。決して表には出さないが出さなくとも態度には出るので私はしょっちゅう「覇気がない」だとか言われて頭をたたかれた。というより私は熱血系の人全般が苦手なのであった。


高校一年で担任になったイマイという数学教師は熱血とは真逆の教師で最初の授業で進級のために必要な点数一年で150点であると示しこの点を取ってある程度授業に出ればあとは寝ててもいいと言った。遊んでいいとまでは言わなかったが授業の妨害にならなければ減点はしないと話した。私はこのドライというか機械的な態度に「これが高校というものか」と感心したがその後出会った教師にこんな人はいなかった。満点をとっても寝ていれば普通に怒られた。ファイティングポーズをとらせる教師もいた。大学になっても授業によっては「態度が悪い」と怒り出す教授もいた。イマイが普通ではなかった。イマイは私から見ても覇気がなくいつもどうでもいいといった態度だった。ガタイが良かったから病気というかんじではなかったが終始疲れたような顔をしていた。


イマイは私が二年になると同時に別の学校へ転任となったが離任式にやってくると新しい学校の生徒がいかに素晴らしくそれに対してお前らときたらみたいな話を延々とし挨拶もろくにできないと言われえ? イマイが求めていたのってそういうのだったのと戸惑った。びっくりするほどイマイは明るくてハキハキとしており一体去年までは何があったんだよと思った。