防弾チョッキのようなエプロンを身につけた女が職場にいる。前にも後ろにも大きなポケットがあって色々な物が入る。ポケットが大きいから前にも後ろにも膨らんでまるでガンタンクのような見た目になっているが女の体格もそれなりなのでエプロンの影響がなどの程度なのかはわからない。この女性は私と同い年なのだった。
防弾チョッキはとても仕事ができるが繊細なところもありたまに職場で泣いてしまうことがあった。私は繊細な心を守るために防弾チョッキを着ているのかな、と思ったりした。私の職場にはエプロンを着用する人が多く、というか支給もしているがこのエプロンがとても厚手なので不人気でたいていの人が自前の物を用意してしまう。しかし防弾チョッキのようなエプロンを身につけるのは彼女だけだから珍しい形なのだろう。
ところで使い勝手の悪いエプロンを最初に提案した人がいつのまにか違う部署へ異動になってしまった。最後に会ったときには私よりも若いのに背筋が悪くて一回り小さく見えた。そのことを上司に伝えたがあまり興味のないような反応をされた。上司はそのとき異動のことを知っていたのである。異動の人とは一時期一緒に仕事をしていて、よく会社の人や社外の人にあだ名をつけて笑いあった。仕事が激務で笑いにも大量のスパイスが必要な時期だった。ある人をターゲットにしてその人のエロ本の隠し場所を考えるみたいな遊びをした。