2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧
連絡があったのは面接から三ヶ月ほど経ってからだった。着信の表示を見て、話の内容が予想できたが、実際出てみると「来週から来い」と唐突な上に、態度も横柄だった。声から判断するに、例の眼鏡の小太りのようだ。恐らく私がここで断っても代わりはいくら…
n号線はさらなる拡張を続けた。私が高校になる頃には、いくつもの畑や森をつぶし、新たなルートを開拓した。道路の分岐点は立体交差が建てられ、片田舎の街が一気に近代化を果たしたような感じられた。以前のバイパス工事と同じ感じだったが、今度は誰も新…
しかし、小学校6年の二学期になると、状況が変わった。姉弟は、別の土地へ引っ越してしまった。初めは弟とガンダムのプラモデルで組み立てている時に、彼の口から聞かされた。春休みで、それが終わると、私は6年に、弟は3年に進級する季節だった。そのうち、…
これは国道n号線についての散文である。 国道n号線は、埼玉県をおよそ南北に縦断する道路で、南下すれば川越や大宮を抜け東京へ、北上すれば秩父の山を通って山梨だか長野へ抜ける。どこが源流でどこで終着になるかは知らない。調べればわかるのだろうが、…
昨日まで載せた「ワームホール」という小説はタイムパラドクス孤児というタイトルの方が良かった気がする 確か書いている当時も思っていた気がするがどうしてワームホールにしたのかは思い出せない 読み直してみるとなんとなく開かれた終わり方をしていて続…
わたしはセックスなんてしたことないし、実はどういう行為なのかもうっすらとしか知らない。友達に経験した人はまだいなくて、隣のクラスの山本さんが、家庭教師の大学生とカーセックスをしたというのを聞いたくらいだ。山本さんと言われても、顔も知らない…
わたしにタイムパラドクスについて教えてくれたのは、理科の溝川先生だった。先生は白衣と眼鏡の典型的な冴えない理系男で、授業もゆるく、一部の男子がガスバーナーで机に焦げ目をつけて遊んでいても熱心に注意しなかった。そのぱっとしない溝川先生も、授…
わたしがタイムパラドクス孤児であることを教えられたのは、小学校の卒業式から2日経った後だった。お母さんとしては特にこの日に教えるとか決めていたわけではなく、なんとなく話の流れから打ち明ける形になったみたいだ。それまでわたしはいわゆる普通の母…
およそ30年前、とある物理学者がワームホールについての論文を発表し、ある一定の条件を満たせば、地球上でもワームホールが発生することを予言した。”一定の条件”はそこまで容易に揃えられるものではなかったが、すぐに複数の研究機関が飛びつき、程なく人…
わたしが発見されたのはお母さんのアパートで、その時お母さんは18歳で、アルバイトをしながら、美容師になるための専門学校へ通っていた。その日は日曜日で家にいて、お昼前に起きて、たまった洗濯物を洗濯機に突っ込んでから部屋に掃除機をかけ、それがひ…
咳もだいぶおさまって今日は年に数度の気分が前向きの日になった こういう日はネガティブなことを言っても自分自身がネガティブにはならないので積極的にそういうことを言った 例えば同僚にはいつものように無理して笑顔をつくらずに済んだみたいなことを言…
標題のことで義妹夫婦が揉めている 私たち夫婦は自分らのことを棚上げして他人の夫婦についてあれこれ言うときはかなり冷静で私はいつも心中では滑稽な気がしてしまう ここに出てくる母親とは私の妻の妹で妹は美容院に行く間に姉に子供を預けようと思い姉も…
今日髭男ディズムというバンドを知った てっきりヤバいTシャツ屋さんみたいなのを想像したらぜんぜん違って拍子抜けした 2曲聞いたら嫌になった さまざまなバンドがいて中には合わないものも存在するがこれまで私はその基準が歌詞だと思っていたら声という要…
ところで青年海外協力隊と書いて、ぴんと来るものがあり、それはかつてテレビドラマの中で同じ単語を聞いたことがあった。それは「天まで届け」というお昼の帯ドラマで、私が小学6年のころに放送されていたが、私はそのときは夏休み中だったので、そのドラマ…
私が朝起きると、D氏からメールが届いていており、それは決してD氏が明け方に送ってきたメールというわけではなく、おそらく夜中に送ってきたものである。あるいは、日付が変わる前にすでに届いていたのかもしれない。私は、昨夜は23時くらいには、おそらく…
真城菜根子はずんぐりした体型で、髪はショートカットで黒く、かけているメガネのフレームと全く同じ色をしていた。目はひと重でまぶたは腫れぼったく、目は切れ長で細い。鼻もつぶれたような形をしている。顔も下ぶくれだった。化粧っ気はあまりなく、眉毛…
本当はとっとと帰りたかったんだけど 彼女がどうしてもと言うから 夜のイルミネーション・パレードを見ることにした 派手な電飾に目がちかちかして おまけに体の芯まで冷え切った 12月ってこんなに寒かったっけ?山小屋みたいな売店へ避難 暖炉があって ウッ…
先生いわく、 デイブ・ウェックルは性格が悪くてわがままで、例えば共演者のちょっとしたミスも見逃さず細かく指摘して非寛容的であり、指示を出す彼の苛立った声にスタジオ内は極度の緊張感に包まれマネージャーはドリンクを差し入れるタイミングに細心の注…
私の市もだいぶやられてしまった 避難した友達もいる 今日は晴れたので避難していない友達の家を写真に撮ってLINEしたりした しかしその先の道は冠水していて隣の市にいけなくなっていた 海なし県だが急に海がやってきたようなかんじである 水に浸かったのは…
台風も今の時間はすっかり大人しくなってしまった 川が氾濫するとかしないとかダムを放流するとかしないとかせわしなかった 数日前から養生テープを窓に貼るべしみたいな情報が流れて家の者も夕方熱心に窓ガラスにガムテープを貼っていた ガムテープを貼るの…
電話に起こされ窓の所へ行って外を見ると、雪が積もっていた。予報で降るとは聞いていたが、ここまで積もるとは思っていなかった。おそらく5センチは積もっている。僕の住んでいる地域では稀だ。子どもの時はもっと積もったこともあったが、年々降る量も回数…
昨日ダークナイトという映画を見た 要はバットマンなのだがちょくちょく話題にも上がるし見てみようと思い見てみた 私はしくじった 三部作らしいことがわかったのでどうにか一部から見たいと強く思ったが先にネットなど見ると内容も目にする危険があるからだ…
奇跡のように干した洗濯物がよく乾く日であった 空気が乾いていたからである 10時くらいから計四回まわすことができた これは新記録である 週明けから溜まっていた物に加えベッドのシーツや枕カバーや夏物のズボンも洗った だいたいが次のを干すタイミングで…
風邪をひいた 急に気温が下がったからやられてしまった 前日の朝の電車が寒くて仕方がなくあれがとどめになったのだろう 他人がなんと言おうともうヒートテックが必要そうである Tシャツも長袖にしなければならない 風邪をひくと妻から厳しい言葉をかけられ…
賢い姉と比べられて、どうあがいても親に褒めてもらえない話私には弟がいてやっぱり弟の方が世渡り上手でみんなにかわいがられていたような気がする それでも大人になると私のことを長男だとかお兄ちゃんだとが見る人はまずおらずだいたい末っ子や一人っ子に…
来週から新学期が始まる。女の子は男の子に川原に呼び出された。電話があったのはお昼前だったが、3時まで塾で、それから支度をして、ついたのは3時半だった。Tシャツから、白いポロシャツに着替えた。男の子は別に何時でもいい、と言っていた。もしかしたら…
世の中に完璧なものなどそうそうないことは自明だがその割に完璧主義者が多いことに気づいた 他人の評価につかわれることもあるが自分から「完璧主義者なんで」と吐露してもあまり不自然にならないライトな言葉である その人からアウトプットされるものは完…
若いときはよく夜中にドライブして秩父へ行った ミューズパークで遊ぶこともあったがだいたいひたすら車を運転して雁坂トンネルの手前でUターンするのがお決まりのコースだった ループ橋は遠目には巨大な建物に見えどうしてこんな山奥にビルが建っているんだ…
気持ちが晴れないので「困ったときのアドラー心理学」という本を読んでいる 親子関係で首肯するぶぶんが多かった 程なくして妻から子どもの友達の母親が心筋梗塞で亡くなったという知らせを受け少なからぬショックを受けた まだ40代前半だという 友達も母親…
私の今の関心事はあしたの朝はゆっくりでいいということである 気持ちに余裕があると夜もあまり眠くないのである 今日も駅のホームでゲロを見かけた まだまだ消費税の影響があるのだろうか 昨晩のゲロについて「消費税の影響かもしれない」と話したら「アホ…