スマホと言えば、私は最近小説を集中的に書いていて、書く、というよりも書いたものを読む作業で、書くよりも読む方が目は疲れることがわかった。手は、すぐに音を上げるが、目は案外もつので、酷使してしまうのである。暗いところでずっと凝視していたら、目の焦点がぜんぜん合わなくなってしまった。ちなみに私は子供のころからゲームだのやっている割には目はいい。1.2から1.5の間を行き来している、毎年の健康診断では。その秘訣は、これは私が勝手に思っているだけだが、あまり熱心にものを見ないで目の筋力を温存することである。私は物を見るとき、厳密には見なくても支障ないときは、焦点をぼやかしていることが多い。人の中には、ぼやかす、という行為があまり気軽にできない人もいるようなので、やはり私の目の疲労度は、他の人よりも軽いのではないか、と思っている。
ところでさっきは子供の頃からゲームだのを、と書いたが、私の家はテレビゲームが禁止であり、私が小学5年までファミコンはなかった。周りにもそういう家庭はあり、理由は様々で、目が悪くなる、テレビの写りが悪くなる、等があった。私の家は後者であったが、それならと、私はゲームボーイを正月に買ってもらい、それに興じた。しかしそのときはまだゲームボーイが出たばかりの頃で大変な人気で、どこにも売っていなかった。そのため私は叔父と秋葉原まで行き、そこでようやく見つけたが、そこで購入するためには、他に指定されたファミコンのカセットを2本買わなければならず、私はそのとき初めて抱き合わせという言葉を知った。私は諦めることにし、たしか家の近くのデパートの玩具売り場には、5階にあったが、レジの横にゲームボーイの箱が平積みされているのを見た気がし、だから家に帰ったら、まず丸広に行こうと思った。そのときは東京にある祖父母の家に遊びに来ていたのである。
しかし、その抱き合わせのファミコンカセットについては、叔父が買ってくれると言ってくれ、確か5種類くらいある中から2本を選ぶことになっていて、その選択も私に任された。叔父はゲームの類はわからなかったのである。