意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

とんがりコーン

雨にうたれながらとんがりコーンを食べ
「こんな味だったっけ?」
と首を傾げた 私の子供はとんがりコーン
「癖のある味」
と言って食べない 今日は歩け歩け遠足で朝は昨日に比べて曇っていて寒かったが体が温まるとむしろ強い日差しがなくて快適だった 最初に開けたお菓子はチップスターチップスターの塩味がきいてむしゃむしゃ食べた チップスターは重ねる枚数で歯ごたえを調整するが私は2枚が好みだ


その後お昼を食べた後にとんがりコーンを食べて横になったら頬に雨があたって「とんがりコーンてこんな味だっけ」と首を傾げた お菓子の味は時代で変わるから仕方がないがパッケージデザインも変わりすぎて子供のころの味名なのか判別も構わない とんがりコーンは指にはめて魔女ごっこをするのが子供時代のひとつのハイライトだが前述の通り私の子は食べない 仕方なく雨に打たれながらむしゃむしゃ食べていたが子供が自分にも分けろと手を出してきた 嫌いなんじゃないかと訊ねると「そういうときもある」とのこと それから雨が上がって私は妻と子供とはぐれた 野球場にもなる公園で周囲には案山子がたくさんあって私はどこか不思議の国でも紛れ込んだかとうろうろした 足が痛かったからさもうろたえているような様子だった

クラッカーの腹持ちヤヴァイ

ヤマザキナビスコでなくなったクラッカーをふと買ってみたが名前が馴染みのないカタカナの羅列なのでいっしゅんナビスコがあたらしいの出した方だっけ? と混乱する リッツである ヤマザキの方は相変わらず沢口靖子さんを広告に起用してデイリーヤマザキに行くと沢口さんを真ん中に左右に中山美穂黒谷友香を、大外によく知らない女をしたがえているポスターを見かける 沢口さんがまるで遺影を抱えるみたいに新しいヤマザキのクラッカーを我々に見せるのである 左右には中山美穂黒谷友香がいて大外には知らない女がいて5人、戦隊ものみたいにならんでいる 黒谷友香は名前がはっきり出てこなかったが予測変換で出てきた これが21世紀の文学なのである 世紀末には主に単語のみの予測変換が段落単位文章単位にまで拡大するのだろう 黒谷友香噂の東京マガジンのアシスタントをやっていたが終始居心地悪そうだった


クラッカーを食べたらかなり満足した

明朝体

立ち寄ったコンビニの駐車場でふと周りを見やると隣にお経がびっしり書かれた壁があって仰天した よく見るとそれは学習塾の建物でありお経と思った文字列は「○○高校合格」と書かれた実績の誇示でありそれらが隙間なく整然と並べられているからお経のように見えるのだ 大きな明朝体が冗談も通じないような雰囲気を醸し出している


さらに前面には定期テストで何人が一位を取ったのかが出ていてこれを見るとかなりレベルの高い塾だということがわかる しかし明朝体が異様な雰囲気なので自分の子を通わせたいとは思わない しかしそれだけ学年一位をばんばんとる塾なら気になるので近所になくて良かったと思う 


私の住むところにも学年一位をぽんぽん出す塾というのがあるがやはりいくつも支店を抱えるような大手のところではなくプレハブ小屋のような建物の小さな塾だった 自己主張も薄いので実際どのくらいの学年一位が出ているのかよくわからない ただ噂が流れてくるのである

お経のような塾

立ち寄ったコンビニの駐車場でふと周りを見やると隣にお経がびっしり書かれた壁があって仰天した よく見るとそれは学習塾の建物でありお経と思った文字列は「○○高校合格」と書かれた実績の誇示でありそれらが隙間なく整然と並べられているからお経のように見えるのだ 大きな明朝体が冗談も通じないような雰囲気を醸し出している


さらに前面には定期テストで何人が一位を取ったのかが出ていてこれを見るとかなりレベルの高い塾だということがわかる

煎餅うますぎる

何日か前にうまい煎餅を食べた話を書いたが昨日食べた煎餅もうまくて際限なく食ってしまった どうやらうまい煎餅に巡り合ったというより私が煎餅ならなんでもうまいゾーンに入ったようだ 煎餅なんて堅いだけで何の取り柄もないと思っていたのに 

浅瀬

帰り道に素振りをする少年とすれ違った 私は歩いていた 駐車場は狭い上に少し距離があった 途中の階段は少し柔らかかった 私はとても軽い靴を履いているので柔らかさが直に伝わった 元来素振りというのはとても孤独な行為だがその少年の周りには親兄弟がいてさらに人数で考えると隣組も何世帯かいたのではないか、とにかくそれらが雑談しながら少年の素振りを見守っている なんだが文字にしてみると夢の話みたいだ 少年は坊主で紫のTシャツをきていた 半袖の下にはグレーの長袖を着ている ダイエットかもしれない 8時をすぎていたから夕飯の後なのだ 


メインの道から離れてくると安そうなアパートの前にさしかかりその前で電話をしている男がいた まだこの時期ならいいがこれから寒いのに外で電話なんて大丈夫だろうか どこでも電話できるのが携帯電話なのに家では電話できないのである 壁が薄いのである 場所が限定されるのでむしろ電話ボックスのようである 電話ボックスで電話をするカップルは晩秋に「冬は冷えるだろうな」とか思うのである そして冬が来る前に別れるのである

カーブ

朝出勤とちゅうで音楽を聞いていたらコールドプレイのあの有名なバイオリンが「フォ・フォ・フォ・・・」てなる曲のところで道がカーブにさしかかって「この道は曲に合っているなあ」と思った 近くには山田うどんがたっていた