意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

とある有名なテーマパークにて

昨日夕方から入れる某有名テーマパークへ行き、やや勾配の下がったトンネルを下っていくアトラクションに家族で乗り、それはただ下るだけでなくカーブしたりのぼったりもする。骨などもぶら下がり、怖い演出が施され、小学二年のシキミなどは怖がっていたが、私としてはもう飽きた。十数年前にオープンして、もう十回くらいは乗っているのであるから。しかし今回は並んでいる時間がとても長く、暇だから壁の絵などを見ていたら、そのアトラクションはアステカ文明ちっくなアトラクションでモチーフで、壁には横向きの人が連続して並び、それは遠近法などが発明される前の絵なんですよ、みたいなアピールがされている。壁画だが、壁がところどころ崩れている。もちろん、最初から崩れた壁を作っているのである。その横向きの絵というのが、本当にアステカとか、石器時代の人が書いたというにはあまりに上手すぎる、というか、明らかに遠近法を身につけた人の絵なので、私はシラケた。あるいは、私のシラケた気持ちの原因を探りたくて、あるいはむさぼるように壁を眺めている。お揃いのツナギを着た女子高生が立っている。ツナギは赤、青、黄、ピンクだった。ももいろクローバーZっぽい。それは絵ではなく立体だった。四人の女子高生は私たちの少し前を並んでいたが、とつぜん言い争いが始まり、
「だから......っていってんじゃん」
と赤が声を張り、四人は列の逆流を始めた。それはひとつの文明の崩壊のようであった。壁画の話である。壁画の真ん中のドクロの目からビームが発射され、周りの人たちが慌てふためいている。慌てふためくのは、逆流を始めたために列を乱された周りの人たちだ。しかしそういうのもどこかマンガじみている。壁画の話だ。どうしてこの横向の人々にリアリティがないのかというと、例えばふんどしを履いていて、ふんどしでお尻が食い込んで、食い込んだ肉のぶぶんがへっこんでいるから、それはリアルだからリアルじゃない。つまり一万数千年前の人が、絵によって肉のへこみなど表現できるはずがないのである。どうしてこんな手抜きの絵をかいたのかとさらに考察すると、やはりそれを本当のピラミッドの壁画みたくすると大人までびびってしまい、そうすると子供なんか楽しむ余地が全くなくなってしまいエンターテイメントととして失敗になるからだ。私はたぶん二十代くらいまでは、エンターテイメントが好きだったように思うが、もう全体的に飽きた。