意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

スマホのケースが割れた

私の使用しているネクサス6Pのケースが割れた。竹のように縦に裂けた。側面である。そこは電源ボタンや音量ボタンが並んでいるのでケースでふさいだら押せなくなって不便なので強度を犠牲にして穴ぼこを開けねばならずメーカーとしては悩ましい箇所であった。そこが下から裂けたので割れかたとしては道理と合っていた。そのまま使い続けてもよかったがポケットに引っかかるので新しいのを買うことにした。同じ頃子供の奥歯も今まさに抜けようとするタイミングでこれを書いているこの時間にも抜けてしまったかもしれない。中途半端にぐらぐらしているのが鬱陶しいらしく昨日はずっといじっていた。手が臭そうだと思った。見せてもらうと歯と歯茎の間にぱかぱかと隙間が開いていてもうこの瞬間にもちょっと力を入れれば抜けそうだし抜かなくても時間の問題だった。私は昔奥歯をバネの力で抜いたことがある。別に抜く気はぜんぜんなく単にバネを抜けそうな歯で噛むと歯のほうもバネのようにバネを押し戻したりするのが面白くては噛み噛みしていたらいきなり「ばきっ」と言って歯もバネもどこかへ飛んでいってしまった。上の歯だから下向きに投げるのでちょうど良かった。そういう抜歯のしかたもあるのである。乳歯が抜けるというのは前歯だと一大事だが奥に行くほどありきたりになってそっちのほうは一体いつに生え替わったのか憶えてもいない。


散歩をしたら足が疲れた。妻と子供であるいた。妻の友達のお祖父さんが亡くなったと言い線香をあげにいくべきか悩んでいた。「親友だから」と妻は言うが親友なら悩まないのが普通では? と思った。仲良し地元グループに複数がいてみんな行きたくないが誰かが「行かなくていいんじゃない?」と言い出すのを待っていた。犬を溺愛している夫婦がいて休みの日は犬友と会うのに忙しいと言うがそれでも「じゃあ行かない」とは言い出さなかった。私は「各自の判断でって言えばいいんじゃね?」と提案したが妻が待っているのはそういう言葉ではなかった。子供は身軽で橋の上で駆け出して豆粒くらいの大きさになってしまった。小さくなる背中が凧揚げのようだった。同じ子供が自転車に乗れるようになった頃に郵便局まで散歩に行きやはり同じことを思った。帰ってからカレーを食べた。