意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

雷こわい

会社を出るなり稲妻が前方に落ちたので驚いた。とっさにクレイジージャーニーの雷ハンターの人のことを思い出した。雷ハンターは北関東を拠点に雷の写真を撮り歩いている男だ。私は彼の考えや行動にはあまり刺激を受けなかったが彼そのものは好きだ。乗っている車がまずいい。何という車種か忘れたが国産車である。天井の高い「アラレちゃん」に出てきそうな車である。予報が出ると夕方から夜までひたすら雷スポットを移動しながらカメラを構えロケ場所が北関東だからなのだろうがやたらと田んぼとか畑とかで素朴なのが尚良かった。対局にいるのが奇界遺産の人でこの人は主に奇妙な建物などの写真を撮るために世界中を旅する人でどこで写真を撮っても洗練されている。いつだったかキューバかどこかで雷の写真を撮るということで夜中本当に雷が落ちまくる湖に行って紫光りする雷を数本カメラにおさめたが出来上がったものを見ると完全に雷ハンターのお株を奪われたかんじだった。番組はおせっかいにもそのキューバの雷を北関東の雷ハンターに見せに行き雷ハンターは「すごいなあ」と素直に羨ましがっていた。雷ハンターはとても海外に行く余裕などないのである。生活はぎりぎりで主な収入は早朝のパチンコ屋の清掃である。雷は夜鳴るものだから朝に働くのは合理的と得意な顔をして語っていたのがなんとも慎ましやかであった。


これは余談だが雷ハンターは私の昔のドラムの先生に似ていて先生も主な収入はビル清掃でありほとんど趣味で人にドラムを教えていた。