たぶん小学四年のときに家にビデオデッキがやってきた。周りの家にはみんなあった。我が家はエアコンもファミコンも2階建て遅かった。つまり10代になるまで平屋で扇風機で木目調のリモコンもないテレビだったのである。私の中で異論はあるが私の十代、思春期はビデオデッキとともに始まった。お笑いはドリフターズ一本だったがとんねるずとウッチャンナンチャンがやってきた。クラスのみんなは知っていたが私は知らなかった。それまでは必ず9時には就寝する子供だったがビデオ録画を駆使すれば時間のリミットを越えられた。コロコロコミックもそのころ買い出してそれまではてれびくんだった。てれびくんの内容の記憶はまったくないがつまらなかったわけではない。それでもクラスの話題のためにコロコロコミックに乗り換えた。月に一冊だけ雑誌を買ってもらえるルールだったのである。東京に住む祖母がやってきて「なんだこの辞書のような本は」と驚いた。サンシャイン60や新宿コマ劇場に強い祖母も知らなかったのだ。祖母が漫画を読んでいたかは知らない。私の父や母は2人とも漫画が好きで家にあって私もてれびくんで漫画には親しんでいたがそういえば私の子供たち漫画を読まない。たぶん読み方さえ知らない。私が若い頃は漫画は食べ物でいったらやわらかくて美味しいお菓子。たまには堅くて栄養のあるものを摂ったほうが良いと言われていたがついに漫画も堅くて栄養満点になってしまった! 確かに今の漫画はどれも作りがしっかりしていて面白い。Twitterの垂れ流しのような漫画も4コマ漫画も面白い。やっばり小学四年かそこらのころに本屋で漫画を買ったらオマケで小冊子の漫画がついてきたが死ぬほどつまらなかった。当時の私は漫画は絵のうまい下手はあれど話はどれもそれなりと思っていたから衝撃だった。正確には衝撃ではなくどこか面白さを見落としたのではと焦って何度も読み返したのである。やがてここに掲載されている漫画家はプロではないのでは? という仮説を立てた。同人誌だったのかもしれないが今となってはわからない。とにかく現代の漫画は退屈なのはあれど面白さの質は高い。私の子供は私が十代の頃に受けた衝撃をショート動画にかんじているのかもしれないがそれはわからない。
なかなかドラえもんととんねるずにたどり着かないからダイジェストで書くとビデオデッキを買うとビデオ録画をするようになるとテープの背面に見出しを書くようになって初めてとんねるずはすべて平仮名、ドラえもんに至ってはカタカナと平仮名の混合だということを知った。つまりビデオデッキ、ビデオ録画の登場は人々の識字率を高めた。