意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

9月13日

私には、9月13日が誕生日の友達が2人いるが、それはそれぞれ小学校、中学校のクラスメートであっただけなのでもうずっと会っていないし、だからショッピングモールなどで不意に会っても、わからないだろう。

私は家族でも親しい友人でも同じことなのだが、例えば店内でわかれて買い物をしたときに再び合流したとき、店の反対側からその人が歩いてきたときに、その人がその人であるときちんと認識できるのか、という疑問というか不安というか思考実験というか、そういうのが頭の中で起こる。

私はその手の専門家ではないからわからないが、人間とは人間のどの部分でその人と認識するのかわからないが、専門家の説明によれば、例えば目とか、パーツの並びとか、そういうのを明快に説明してくれるのだろう。

私は「店内」、と流すように書いてしまったが、その店内とはとある雑貨屋のイメージで、店内にはボサノバが流れている。ボサノバと言えば私は小野リサが好きである。しかし1枚しか聞いたことがないし、小野リサ以外では、イパネマの娘の人くらいしか知らない。私はその「店内には家族と訪れていて、妹の誕生日プレゼントを買いに来ていた。妹とは、私の妹なのか、妻の妹なのかは今となっては思い出せない。どちらにせよ私はプレゼントに対する興味をすぐに失ってひとりで店内をぶらぶらし始めた。すると1番奥の方にぬいぐるみコーナーがあって、ワゴンの中にはルイージの縫いぐるみがあって、私は
「大変珍しい」
と思った。しかし、マリオやピーチやクッパは見当たらず、ルイージばかりが5人もいた。それ以外は、サンリオとかそういうのだった。私がルイージを手に取ったのは、ルイージが好きだからだ。

不意に私は家族とはもう会えない、と思った。私は家族(妻、こども×2)と妻の黒い軽自動車で来ていた。軽自動車は三菱だった。駐車場は店の前ではなく横にあり、そのため建物は通りからよく見えた。ピンク色の壁に赤い文字の筆記体で、店名が書かれていた。通りの向かいはドラッグストアだった。

私は最初、家族の顔を忘れてしまったのかと思ったが、思い出したら思い出すことはできた。しかし、それは例えば運動会とか結婚式とか、またはケンカしたとか生まれたとか、そういう特別バージョンの彼女らだから、今しがたの通常バージョンは、見分けることなんてできっこないと思ったのである。

ところで話は大きく戻るが、9月13日生まれの小学校時代のほうは、イシイダイスケと言って、ビニールハウスの脇に家はあり、それがイシイダイスケの家のものかは知らないが牛舎もあってイシイダイスケの家の前を通りかかるといつも臭いので、私はそれをからかいたかったが、私はイシイダイスケとは1度も同じクラスにはならなかった。

さらにイシイダイスケはサッカー少年団に入っていたが、ある日、サッカー少年団は日曜の午前中に練習をしていたが、日曜の8時半からビックリマンのアニメが放送開始となると、イシイはビックリマンが好きだったので、サッカーをやめてしまったのである。イシイは坊主頭でくりっとした目をしていて、今思えば可愛らしい外見をしていた。

DREAM

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