これはちょっと的外れが過ぎる、だいたい人間を機械と同列に扱うのはあんまりだ、という意見もあるかもしれないが、例えば最近の、例えばたまごっちなんかは、誤って押してしまうことを防ぐ目的として、ボタンが極端に小さかったり、めり込んでいたりする。そこを精密ドライバーなんかで押す。私の家には精密ドライバーがないので、鉛筆なんかで押すが、そうするとボタンの周りが黒ずんでしまって汚くなってしまうのである。だから、何が言いたいのかというと、押しているのはドライバーなり鉛筆なのだから、これらは生き物ではないから、やはり工場出荷時に戻すべきではないか? しかし鉛筆は削る前に戻るのだから、押した途端にぶっとくなって、ボタンを壊してしまうかもしれない。
鉛筆の黒ずみ、と言えば書き方の時間であり、硬筆なんかをやっているときは、薬指や小指の先がいつも黒くなった。気の利く女子は指の下にティッシュを敷いてそれを防いでいた。何年生のときかは忘れたが、書き方の時間が体育の後だったときがあり、そのときはひと汗かいたあとだったせいか、窓から吹き込む風がとても気持ち良くて、いい気分で字がかけた。強い風がふくとカーテンが大きく膨らみ、窓際の生徒の頭がそれにくるまれると、教室中で大きな笑いが起きた。
さっき妻がパートから帰ってきて上戸彩と吉瀬美智子が不倫をするドラマを見ていて、私はその一部分しか見ていなくて前後関係も人間関係もわからなかったが、吉瀬美智子が売れない画家の男に金を渡そうとすると、男は
「そんなはした金でパトロン気取りかよ」
と突っぱね、吉瀬美智子としては屈辱的な扱いを受ける。しかしドアがバタンとしまったあと、男は情事のまえに書いていた女の絵に、優しく触れるのである……。
するとネモちゃんが出し抜けに
「そういうことね」
と言い、私は今の男の微妙な心理を読み取ったのかと驚いたが、ネモちゃんは昼間新しく届いた進研ゼミの、新しい機械をいじっていたので、そっち関連の言葉だったようだ。ちなみに前述のリセットボタン云々は、この機械についていたボタンについて、ネモちゃんに質問されたことが発端である。ネモちゃんはさっき手の爪を切ったばかりなので、簡単にはボタンは押せないだろう。
ここまで書いて、「まるまるはそう簡単にはリセットできないのである」と書き締めれば、とてもきれいなのかもしれないが、私はとくに思いつかないし、整った結末にもあまり興味は引かれない。なので、読んでくださった方々それぞれで、適当にリセットしてください。解散。
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2014/10/11
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログ (4件) を見る