意味をあたえる

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グレートジャーニー

昨日か、あるいはおとついに、「クレイジージャーニー」というテレビ番組を見て、それは録画された番組だったので、実際に放送された日時はわからない。とにかく、それを妻と二人で一階のリビングで観ていたら、「グレートジャーニー」の人が出ていて感動をした。ダウンタウンの松っちゃんと、小池栄子が「この番組(クレイジージャーニーのこと)は、この番組のタイトルは、「グレートジャーニー」からとっているんですよ」と言っていたので、(知ってるよ)と私は思った。しかし私は、「グレートジャーニーはCMでしか見たことがないので、やはり知らない。

一体何に感動したかについて、以下に書きますが、私は別に「グレートジャーニー」の人が登場してす●ぐに「おお」と感動したわけではなく、話す内容に感動した。だからこれから、話の内容について書くが、ところで「グレートジャーニー」の人は関野吉晴さんと言います。私はこの名前を、今インターネットで改めて調べたからわかり、それまでは失念していて、ぼんやりと「吉野さん」かと思っていたら違った。私は名前のことまでは考えていなかったが、名前は「関晴さん」とでも思っていたのだろうか。とにかく私は、名前に感動したわけでもないので、名前の話はこれくらいにします。私が感動したのは、関野さんは、今回の旅では日本人が日本にやってきたルートを辿る、というのをやっていて、ルートは三本あると言われているが、そのうちの二本はすでに踏破されてしまっている。残りの一本は、南から海を渡ってくるルートで、今回は船で行こう、という算段だった。船は自作しよう、という話で、関野さん●のねらいは、なるべく当時の技術、というか、技術のなさ、でやりとげよう、というものであり、当然エンジン付きの船や飛行機は使えない。設計図もなし。さらに愉快なのが、船の材料の木を切るための●斧も自作しなければならず、斧を作るためには鉄がいるので、関野さんは、生徒たちを連れて砂浜へ行き、磁石で砂鉄を集めるところから始めなければならなかった。関野さんは大学の講師もしているので、周りにはたくさんの生徒がいた。関野さんはこの時「ズルをした」と語っており、ズルとは●当時は磁石などなかったから、純度の高い鉄を使わなければならなかった。「美味しんぼ」の、うまい鶏肉となる鳥の餌は、無農薬の野菜で作らなければならない、というのと似ていると思った。つまり関野さんは、できるだけ人類が日本へ渡った時を再現して日本へ行こうとしており、そうすることで「何か気づきがある」と言っていた。「気づき」という単語は関野さんの話の中で何度も登場しており、私はその言葉にシビれた。「気づき」とは「思い入れ」とか「魂」とかいう言葉に簡単に置き換えられそうだが断じて違う。●気付きとは、その場にいた人だけが身を持って得ることのできる、言葉以前のものである。ちょっと間違えると、当事者自身が、「●旅とはつまり○○なんです」と言いのけて、そのばで彼の思考は地に落ちてくさってしまうのだが、関野さんは「気づき」で踏み止まった。あるいはそれは心ないテレビ関係者に対する「●自己防衛の言葉」●なのかもしれない。

という●わけで私も気付きが欲しくなり、書く行為に●さらに意識をむかわせたいと思●い、今、この文章を手書きで書いている。さっきツタヤへ行って鉛筆とノートとカッターナイフを買い求め、家に帰って裏紙を広げて、鉛筆を削るところから始めた。鉛筆は2本購入し、それ2BとHBだった。昔は書きものはHBで行っていたが、それはもう十年近く前で、今は筆圧がおとろえたかもしれない。削るのは小学生以来だ。小学校のときは、「子供だから下手に削れる」と思っていたが、それ以来削っていないから大人でも下手だった。削り器で削ったときのように先が二等辺三角形にならずにかわいらしい正三角形になって、キスチョコ●やアポロのようである。露出●した芯が短いので、すぐに書けなくなる。だから露出を増やせばいいのだが削り方が未熟で先をのこすことがうまくできない。●ノートをノートパソコンの上に広げて書き出すと、小学生の宿題をやっているような気になっ●た。ふと手を止めて見ると、予想通り、小指と薬指の第一関節までが黒くなっている。

※●は、書き損じた箇所です。


※小説「余生」先週分(41話から45話)をまとめました。
余生(41) - (45) - 意味を喪う