意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

後輩を殴る夢を見た

お盆だからでしょうか、私の会社は夏休みはありませんし土曜日も仕事なのですが、私は今日は休みでした。今や私がシフトを組んでいるから、好きなときに休めるのです。代わりに、周りの人には別の日に休んでもらいました。有給も2日とってもらいました。こんなに休めるのは今だけかもしれません。そうしたら気がゆるんだのか、後輩を殴る夢を見ました。彼は夢以外でもトロいのです。とは言うものの、殴ってやろうと思ったことはありません。夢の中で、私と後輩以外の人が、
「またNくん(後輩です)なんとかなんとかをやらかしてたよ」
と告げ口しにきて、それが遠まわしの私に対する批判でもあるのです。私は舌打ちをして、
(いっちょ、キレたふりでもしてやるか)
と思い、席の後ろにあるロッカーを殴ってやろうとしました。これはもちろん後輩の仕事の出来なさに私が激昂した形なのですが、同時につまらない告げ口をしてきた人に対する批判でもあるのです。私は物相手なので力任せに拳をぶつけようとしましたが、ロッカーの前に透明のバリヤーが張られていて、拳がとどかない。なにやらゼリー状の物が私の拳の勢いを完全に殺してしまうのです。あるいは、私の肘間接に特殊な仕掛けが一瞬でほどこされ、私の肘が伸びないようになっている。これは夢でよくある、自転車を漕いでるのにちっとも進まない、のと同じ類の現象です。私は中学生のとき、土手で担任の音楽教師の女に追いかけられる夢を見たとき、やはり自転車のペダルの周りにバリヤーが張られ、ちっとも漕げないのです。中学生だった私が苦笑いするくらい、自転車は進まないのです。これは私が分析するにマイナス方向の好奇心、(このまま捕まったらどうなるだろう)のせいです。あるいは単に捕まりたい。

この考えでいくと、私がロッカーを殴れないのは私が物を大切にする優しい思想の持ち主だということの表れなのですが、その後当の後輩がやってきて、私が
「メール見た?」
と確認すると、
「見てないです」
と言うから、思わず私は後輩の頭を殴ってしまった。後輩の髪の毛は直毛で、だから私は草村を殴っているような感じだった。さっきはいくらやっても殴れなかったのに、後輩の頭は簡単にはたけたので、私は驚いてしまった。殴られた後輩は目をつぶって眉間にしわを寄せ、苦痛に耐えている風を装っている。彼が何も考えていないのは明らかだ。私の怒り方よりも、彼の怒られ方の方がよほど上手だった。その証拠に私はその後
(マズイ)
と思い、
「見なきゃダメじゃんかよー」
と、「じゃんかよー」のぶぶんを半笑いで言って、空気を柔らかくしてしまった。セオリーでいけば、怒ったらいけるとこまで怒るのが正解である。