意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

子育て支援

私の住んでいる県では、子育て支援のカードが子を持つ世帯に配られ、それを対象店舗で提示すると微々たるサービスが受けられる。私は妻がいつもカードは持っているから使ったことはない。しかし、「子育て対象ですよ」という看板やポップは知っている。県のマスコットキャラが子育てしている風のイラストが書かれているのである。大抵そのポップの下には「なんとか、5%オフ」などの微々たるサービス内容が出ている。

さて、私は今日レンタルビデオ屋にいって「いぬやしき」の五巻と六巻を借りて読んだ。おじいさんが主人公なのに、おじいさんがあまり出てこなくなった。あと、おじいさんの娘が実は漫画家志望で「なんだかなー」と思った。作者の人は話の中で人を殺しまくっているから、可愛い少女が「漫画家志望」でいくらか癒されるのかもしれない、と思うとプロ意識が足りないのでは? の「なんだかなー」だった。

私が帰りがけに例の子育て対象カードのポップが掲げられており、素早く目を通すと(私はすでに会計を済ませていた)「旧作はなんとかなんとか」と微々たるサービスが書かれており、最後に(ただしアダルト作品は除く)とあって、私は
「リアルだな」
と思った。確かに子育てとは子を産んで育てるわけだから、アダルトビデオを見て、無駄に性欲を発散してはいけない、というスタンスなのだ。しかしあくまで対象は「子育て」なのだから、子はすでにいるのであり、性欲は子を育てるのにあまり関係ない、せいぜい自慰行為で無駄なエネルギーを消費してはいけない、というメッセージにしかならず、エネルギーという話になるなら、子育て世代はむやみにスポーツをしてはいけない、仕事に必要以上にのめり込んではいけない、という風になるからアダルトだけ禁止にするのは的をはずしている。しかしもっと広い視野に立てば、アダルトビデオを見ることは少子化につながる、という考えてあれば子育て支援とは、そもそも子がいなければならない支援であるから、アダルトビデオを禁止してじゃんじゃん子供をつくるべし、というのは話としては矛盾はしていない。しかし、子育て支援少子化は別個、子育て支援の発案者は実は大の子供嫌い、というパターンもあるかもしれない。なんだってそうだが、子供嫌い、というほうができるだけ子供と接する時間を減らすサービスなどを考え、それが結果的に親の負担を減らすことにつながるから、全員が「子供大好き」でも行き詰まる気がする。

今日は比較的退屈だったので洗濯物のタオルを「ターさん」などと呼んでみたが、とくに愉快でもなかった。ターさんをタンスにしまった。