意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

獰悪

子供が学校の宿題で夏目漱石吾輩は猫である」を暗唱していてふと「文学とはこういうものなんだ」とひらめくものがあった 冒頭の数行のみだが「書生は獰悪な種族」というあたりがいかにもひねくれていて何か世界が構築される予感がある 結局は世界を正視しないことが物語の種となるのである そして物語とはその予感だけでじゅうぶんなのである


私は「吾輩は猫である」を読んだことがないからその後100ページなのか200ページ続くのかわからないがじゃあ最初の数行の後には何が続くのだろうか分厚い「その後」をストーリーというライトで照らしながら進んでいくのである ストーリーとは過去であり記憶であり瞬発的なものとはかけ離れている