意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

博物館

朝、冷蔵庫を開けるとお茶のペットボトルの脇にはパンがぶら下がっていて、それは子供のこぶしくらいの大きさで、形で、いくつもそれが袋に入っていたので食べた。後から起きてきた志津は、割と律儀な性格でそれを2つ、焼いてクリームチーズなどを塗って食べていたが、私は面倒なのでそのままかじった。芯のほうは冷たかった。先ほど丁寧に「子供のこぶしくらいの大きさ」と比喩をしたのは、さらに次に書く比喩のためで、つまり、リンゴをかじっているようだった。
私はそれを断続的に3個食べた。

それから妻と志津がいなくなり、その後にネモちゃんが起きてきて、暑くてどうしようもないので、
「博物館でも行く?」
と声をかけたら最初のうちは行かないと言っていたが、家にいる私はごろごろしているだけなので、やがて行くことになった。
その博物館とは少し距離の離れた、山奥のほうにあり、私はナビアプリでいつもと違うルートを選択したら途中で大雨が降ってきた。私は今日は新しい靴下を下ろしていて、ついでに靴も下ろそうとおもったが、靴の後ろ半分と靴下が似たような縞模様であり、なんだかサンダルを履いているように見え、私はそれはそれで愉快な気がしたが、ネモちゃんは嫌がって靴下を変えろと言ってきて、靴下をかえるよりかは靴をかえるほうが楽なので、靴を変えた。雨が降ってきたとき、
「新しい靴おろさなくてよかったぁ〜」
と密かに胸を撫で下ろした。

博物館というところは、死んでいる生き物を展示してある場所で、つまり死んでいるから生き物ではなく、物、である。なんでこんなことを思ったのかと言うと、私とネモちゃんが骨パズルに興じていると、どこかから動物園のような鳴き声が聞こえてきて、私はもちろんすぐに今日の来場者の中に身障者の集団がいたので、そのうちのひとりが発作なりなんなり起こして騒いでいるのだろうと気づいた。だから、気づいたあとで、動物園みたいだなと思い、動物園と博物館の違いを自分にクイズ形式で出題し、前述のような考えに至った。
あと、ベンチで寝ている人もいた。(身障者ではない)

雨については私たちが到着するよりも前に上がっていたが、おかげで涼しくなり、私たちはそのあと上機嫌に庭を散歩した。するとネモちゃんは早速小さなショウリョウバッタを捕まえた。ショウリョウバッタは生きていた。