意味をあたえる

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念力家族、を見た

以前、目さんのブログで紹介されていて、見てみたいと思いつつも忘れるだろうと思ったら実際に忘れた。しかし、親切なことに、再びTwitterに情報を流してくださり、観ることができた。第1回は見逃したので第2回である。月曜18時45分、Eテレ、である。

第一の感想として、「サンダーマン」と似ていると思った。サンダーマンとは、同じくEテレで毎週水曜日にやっていたアメリカのホームドラマコメディで、古くは「フルハウス」などもやっていた。私はフルハウスが大好きだった。DJの親友のキミーが強烈に足が臭く、来る度に父のダニーたちからも煙たがられる、というエピソードが特に好きだった。あと、観客の笑い声。面白いシーンもいいが、悲しいところで、「オオゥー」と悲嘆のため息、キスシーンなどでは、口笛を吹いたりするのが楽しかった。私は古くは、ドリフ大爆笑のオープニングのおばさんの笑い声も好きだし、とんねるずのみなさんのおかげです、のスタッフの馬鹿笑いも好きだった。私もたまにはそういう笑い方をする。

それで、「サンダーマン」の私の評価だが、五段階でいえば3か4といったところだろうか。その前の「ビクトリアス」がとても好きだったから、がっかりして評価が下がった。「ビクトリアス」は、ハリウッドのスターを目指す学校の生徒たちのコメディで、毎度歌があって楽しかった。それも、歌手とか俳優目指しているので、みんな容姿がよく、性格は悪い人も結構いたが、そういう際立ったキャラ同士の掛け合いもおかしかった。アリアナ・グランデも出ていた。アリアナ・グランデは「キャット」という名の役で、キャットは一言で言うと頭のおかしい女の子である。真夏の砂浜でメンバーがトレーラーに閉じ込められていたとき、キャットだけは運良く外についていたのだが、仲間を助けることなく途中で砂浜でナンパされ、きゃっきゃきゃっきゃと遊んでいた。そのころメンバーは熱中症寸前で、金魚鉢に頭を突っ込む男まで出てきた。

もうひとつ面白かったのは、ロビーという眼鏡をかけた男の子がいて、この子も少し頭がおかしくて年中腹話術の人形を持ち歩いて、人形とガチで会話をしている。本物の友達と思い込んでいるのである。それであるとき、舞台でリハーサルをやるときに、人形を袖に置いておいたら、そばで風を起こす機械が置いて合ったのだが、主人公が操作を誤ってジェットエンジンみたいになって、人形が吸い込まれてミンチになった。私は慌てふためく主人公と、そのあとチャイルドプレイのチャッキーみたいになったパペットを見て、涙を流しながら笑った。

それで、楽しかった「ビクトリアス」が終わって始まった「サンダーマン」であったが、そのうち見慣れるだろうと思ったが、さほど見なくなって終わった。サンダーマンも超能力一家で、念力家族とかぶるのだが、念力家族のほうが日本向けで面白い。今日のラストで横山めぐみ
「恋とは戦いなのよ」
と言って空へ飛び立つのだが、サンダーマンのお父さんも同じ能力を持っていて、垂直方向へ飛び立ち、毎回家の屋根をぶっ壊す。(ただし、屋根を直すシーンは一度も出てこない)サンダーマンの家族は、父母と四人兄弟で、兄弟は男女の双子が二組である。能力としては、俊足と、あと目からレーザーとか、相手を一瞬で凍らせたりとか。食卓では念力で七面鳥の取りっこをする。(最後は壁にべちゃっとなって「今日も夕食が食べられなかった」とションボリするのがお決まりのパターン)対して念力家族は、お醤油の容器を念力で取りっこして、やはり日本らしいなあ、と思う。アジフライが宙を舞ったら、衣がぽろぽろ落ちて、気が気じゃない視聴者が大勢出ることに対する配慮だろうか。

最後にこの手の家族ドラマで私が気にくわないのは、お父さんがお父さんらしく、お母さんがお母さんらしいことである。おじいちゃん、おばあちゃんもそうだ。実際の家庭ではこんないお父さん・お母さんらしい人はまずいない。以前三鷹の森ジブリ美術館へ行ってミニ映画を見たときに、主人公のお父さんが、ポロシャツをスラックスにインして出てきたときには仰天してしまった。それが休みの日の格好である。もちろん、現代劇である。私はスラックスは一枚も買ったことはない。