意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

カレーが辛い

さっきお昼なのでカレーのカップラーメンを食べたら思いの外辛くて腹が立った。鼻の下に汗を大粒の汗をかいてしまった。おでこにもかいた。キャベツも辛い。そして、昔XジャパンのYOSHIKIが、ライブ前に食べたカレーが辛かったことに腹を立て、ライブを中止にしてしまったことを思い出した。同様にライブ前にシャワーを浴びたら思いの外熱かったのでライブを中止にしたという話も聞いたことがある。嘘か本当かはしらないが、本当ならすばらしいと思う。奇しくも昨日、ハッサンのブログでニジンスキーの話が出ていて、そこでステージ上でいつまでも椅子に座りなにもしないことにほとんどの客は腹を立てて帰ってしまったが、その後ニジンスキーは踊り出した。ニジンスキーはダンサーだったのである。私の書き方が悪いから、良質の客をあぶり出すためにニジンスキーは椅子の上で待っていたような印象だが、ニジンスキーはおそらく最初から自分しか見ていない。あるいは、すでに踊っている。

つまりアートは人を選ぶということだ。先のXジャパンの話だが、ライブが中止になり、ファンは本当は嬉しかったんじゃないだろうか。たぶん、
「残念だったけど、YOSHIKIらしいよねー」
とか、
YOSHIKIができないっていうんじゃ、見ても仕方ないよね」
などと話しながら、帰りの新幹線の座席を押さえたのではないか。そして、
「高いチケット代払ってんのにふざけんな、プロの自覚がまるでない」
と腹を立てる人に対し、
「あーあ、わかってないなあ。にわか乙」
と思ったに違いない。本当のファンからしたら、そういうミーハーなファンをフィルターにかける良い機会だった。このようにプロらしさを要求するファンが増えたら、きっとアーティストは身動きがとれなくなり、商業主義に走らざるをえない。

と、ファンの人が考えたかは知らないし、「理想のファン像」を押しつけている嫌いもあるが、結婚でもなんでも、理不尽なことをされてもそれほど腹が立たない対象がある人生は、素敵なことだろう。

汗が引いたので今日はここまで。