意味をあたえる

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さらばソングに出てくる男は相当の女ったらし

さらばソングというのは、私が平日毎朝見ているEテレの6時55分から放送している「0655」という番組でたまにかかる歌である。今のところ第三弾まで発表されている。サブタイトルがご当地再発見ソングとなっており、何を再発見するのかというと例えば第一弾は高円寺が舞台なのだが、主人公が高円寺を歩きながら高円寺という寺を発見するのである。同様に第二弾では豊橋市で、豊橋という橋、第三弾では宝塚市で宝の塚(ほら穴のようなもの)を発見している。それだけならいいのだが、この歌は毎回女に振られるところからスタートする。しかも最初はみよ子という女に平手をくらい、三弾ではゆかりという女に贈り物のネックレスを突き返されている、という具合に穏便ではない最後を迎えている。男は毎度メガネをかけ、黒いコートを着たさえない男で、さえないながらも短期間に三人もの女に振られ、どれだけ女好きなんだよ、と思う。しかも殴られているのだから、女のほうはかなりの好意を男に抱いていたと思われる。大方、詩でも贈って女を口説くタイプなのだろう。さらに高円寺だの豊橋だの様々な土地の女と関係を持つのだから、フットワークも軽い。本人は分散投資のつもりだったのかもしれない。

しかし振られた後に町を歩き、そこに町名と同じ寺や橋を見つけるのはとても良いことだ。どうでもよい発見にはしゃぎ、自分の感情が普通でないことを、自らに言い聞かせているようである。