意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

パソコン博士

職場のパソコンの調子が悪くここまで悪い端末にあたるのって生涯初かもってくらい悪い。私が初めて仕事でさわった端末はWindowsMeでみんな「ひどいひどい」という端末で私以外の人は2000とかXPだったが私はとりたててひどいとはかんじなかった。あるいは私がまだまだパソコン初心者だったせいかもしれない。大学のパソコンはMacでキーボードのところに電源のある端末で入学したての全員対象のパソコン教室でまさかそれがスイッチとは知らずぐいっと押したらいきなり音楽が鳴ってプログラムが走り出して肝を冷やした。すぐに上級生が後ろからやってきてスイッチが切られた。つまりパソコン教室のくせにパソコンを操作するまでずいぶんと長い講釈があったのだ。今でこそ差はなくなったが当時のWindowsのマシンは本体に物理スイッチがあってシャットダウンした後にメッセージが出てそれは
「電源切っていいですよ」
という旨でそれを確認してポチッとスイッチを押して終わった。例えが出ないが一度押すと引っ込んで二度押すとまた戻ってくるスイッチでいちいち「すちっ」と音が気持ちいいスイッチであった。Macはシャットダウンさえすれば全部電源も切れたからMacはすすんでいると思った。思えば雑誌の裏表紙にヤフーの広告が出ている時代だった。


最初の職場ではまたMOディスクにデータのバックアップを取っていたが友達に話しても「MOってなに?」
という具合だった。友達の職場はCDに保存していると言いしかし私からするとCDはすぐデータがダメになるというイメージだった。ドラック&ドロップでファイルをコピーしたとき最後にウィンドウの横の「書き込む」というところをクリックしないとコピーは完了しない。しかしアイコンはばっちり移動しているから普段ファイルをコピーしている要領でやっていると実は何も書き込んでいなかったという場面が何度もあったしまた私よりもパソコンができない人もたくさんいたからそういう人に「最後に「書き込む」をクリックしてください」と指示するのも面倒だった。


MOは知名度というか普及率もイマイチだったせいか年末やお盆になると主任がMOのドライブを持って帰ってそれがセキュリティだった。つまりディスクを盗まれても中身を見られることはないという考えだったが昨今の会社のセキュリティからするとまるで幼稚園児の発想だがたぶん私だけでなく多くの人はどこかの時点までデータは財布みたいに肌身離さず持っているのがいちばん安全みたいな発想だったに違いない。そういえば大昔に会計の責任者だった人がボーナスの時期になると銀行からおろした金を体中に巻きつけて会社に戻ったという話を聞いた。振り込みみたいなものも昔はかなり胡散臭かったのだろう。