意味をあたえる

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伝説のオウガバトルを買おうか迷う

午後は掃除をした。合間に3Dsでダウンロードした「レッドアーリマー」をやっていたら子供が「貸してくれ」と言い出し子供は「レッドアーリマー」がやりたいわけではなく芸人の「よゐこ」がマインクラフトをやっている動画を延々と見ている。下でごろごろしている妻が「チャレンジはやらないの?」というので伝えたら「いくつやるの?」と訊いてくるので「100個でも1000個でもお好きなように」と伝えた。タンスの上に散乱していた何年か前の父の日にもらった「お手伝い券・その他」をまとめて升の中に入れた。升とは去年の夏に行ったイエローモンキーのライブで買ったグッズである。ヒノキのにおいがする。中におかきが入っていた。お手伝い券でいちばん多いのが「早寝早起き券」であった。子供が早寝早起きしても私には何のメリットもないが当時からしょっちゅう私が「寝ろ・起きろ」というから早寝早起きをしたら親が喜ぶと勘違いしたのである。私の子供は大変に夜更かしをする。私が子供のときは22時からの「とんねるずのみなさんのおかげです」を見るのですらかなり難儀したのに今の子は平気で24時過ぎまで起きている。最近では私のほうが先に床につく。未就学のころに寝かしつけていたときの習慣が私だけ今でも続いている。


レッドアーリマーは買ったその日にクリアーしてしまったのでまた次を買ってみようかと思いそれなら「伝説のオウガバトル」なんかどうかと思った。これは調べたら私が中学二年のときに発売されたソフトで私はたしか中学一年の夏にスーパーファミコンを買ってその半年後にはこれをプレイしていたらしい。一体どこの店でどんな表情で購入したのかまったくおぼえていない。中学二年のときは優しい担任だったので私はしょっちゅう遅刻していた気がする。家から学校まで5キロくらいあって自転車で通っていた。冬になると向かい風がきつくみんな立ち漕ぎをした。一年のころはまだ真面目で遅刻しそうになると仮病で休もうとし親に怒鳴られたこともあった。それが二年になると平気な顔で遅刻するようになり下駄箱の通路でホームルームを終えた担任とばったり会って
「どうした?」
と訊くが先生はまったく怖くないので
「寝坊です」
と正直に言ったら先生は苦々しい顔をしたが怒りはしなかった。先生は男の教師で英語の教師だった。それから十年くらい経って当時のクラスメートの女子とばったり会ってそれがまたどこで会ったのかもまったくおぼえてなくて奇妙なのだがとにかく飲もうということになってその子の行きつけの焼鳥屋に行って女の子は店のおばさんとも親しげに話していた。私は彼女とは一年の中で席が近い時期があってもうひとりの女子と男子と四人でよく話をして盛り上がっていた。その組み合わせというのは後にも先にもその一時期だけだったのにかなり楽しくやっていたからやはり今思い返すと奇妙である。奇妙というのはその後はまったく話もしないような間柄になったことである。それで一緒に飲んだKという女子と担任の話になって
「私は花岡先制を泣かせたことがある」
と言い出し理由を訊いてみるとKは実は一年の3分の1くらいしか学校に行っておらず家庭訪問にきた花岡がどうにか学校に来てほしいと泣いて頼んだとのことだった。私はKとは前述の通りかなり仲良くやっていたのに半ば登校拒否状態だったことはそのときまでまったく知らなかったのでびっくり仰天してしまった。Kは登校拒否の原因についてははっきりとは言わなかったが雰囲気から察するにイジメとかそういうことではなさそうだった。私は当時の自分と重ねながらKも花岡のやさしさに甘えただけだったのではないかと思った。Kとはその日に飲んだきりもう会っていない。花岡とは言うまでもなく。