意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

どうして本を読むか

たまに妻に「どうして本なんか読むんだ」と訊かれる 私からしたら「どうしてテレビを読むんだ」とか「どうしてアイドルのCDを買うんだ」と聞き返したいところである しかしテレビやアイドルが「どうして?」と訊くまでもないようなことなのは想像がつく それらは自前の動機を用意しなくていい類のものなのである 本だって本当はそうなのかもしれないが私の周りは驚くほど本を読む人がいないのである かろうじて私の母や妹は小説を読むがミステリーが主体なので私とは話が合わない 昨日などは内田康夫さんが亡くなったと母と大騒ぎしていた 大騒ぎできるのは正直うらやましくも思う


妻が仕事のことについてぼやいていたので最近読んだ車谷長吉の人生相談の一節を読み聞かせたら
「それは宗教か?」
と言われた 大きい主語がなんでも宗教に聞こえてしまう年頃なのかもしれない でも私はテレビばかりで楽しいことばかりだと飽きたり息切れしてしまうんじゃないかと思う そんなときには宗教、でもいいが本などで「人生には救いはない」と言われると片手落ちだった人生がバランスを得たような感覚を得ないだろうか 得ないか