意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

菓子パン好きなのは自分だけだと思っていた

事務所で「疲れた」というと事務の人に「早く帰っておいしいものを食べて寝るといい」とアドバイスされたので「早く帰るのは難しいかもしれない」と答えた すると「じゃあ帰りに菓子パンを食べるといい」と言われ「菓子パン好きでしょ?」と言うので私は確かに好きだから「好きですよ」と答えると男の人は菓子パン好きが多いと言われ肩すかしを食ったような気になった しかし男が菓子パン好きとは初めて聞いた 私はよくよく考えると菓子パン好きなのはこの世で私だけだと思っている節があることに気づいた 私は高校時代に「パンを幸せそうに食べる」と言われて以来パンのために生きてきたのである しかし幸せそうでも決して美味しいと思って食べているのではなく何も考えていないのである

ドーナツを食べるときに考えること

家に帰るとおからドーナツがあったので食べた 私はドーナツではオールドファッションが好きなのです たまにチョコのかかったタイプもあるがチョコはいらない したがっておからドーナツもなんのひねりもない茶色いやつが好きなのである ドーナツを食べるときに考えるのは内径から外形までの距離が最短になるように歯を食い込ませている つまり前歯が円周の接戦に対して直角になるよう心がけているのである 

お昼を邪魔されて

お昼にペヤングを食べて眠くなったから突っ伏したら人が来て突っ伏せなくなった 私の客ではなかったが客であった人の仕事を引き継がねばならずおかげで私のお昼は消えてしまった 歯についた青ノリを見られないよう手で口をおさえる姿は悪阻に苦しむ妊婦のようだったろう

スポーツ

朝車を走らせていたら歩道を親子が走っていて父親のほうは自転車で娘のほうは徒歩だった 小学生くらいである 私は虐待ではないかと思った しかし娘は体育着だから体を鍛えているんだろうと思った


春になって外に出る人が増えた 運動公園のトラックでは複数の小学生が等間隔で走っていた どこかのスポーツ少年団なのである トラックの脇のほうで親たちが立ち話をしている 車を停めて眺めようかと思ったがやめた 少し行くとテニスコートがあって高齢の大人がテニスに興じていた 草野球でも眺めたい気分になった 夜になって私も外を散歩した 家族もいた 妻が梅の花を見て「ポップコーンみたい」と言った また通行人が下げたビニールを犬と見間違えて気味悪がっていた

元気なあいさつ

元気にあいさつするほうである あいさつが特別好きなわけではない あいさつができないと怒られるときがあるからだ 20代のころはそんなふうににあいさつさえ気をつければそれだけでほめられたりした


時が経ってそういうのは過去になった 過去になって私は悪いこととは思わないが人同士の差がつきやすくなってしまった

今日の寒さ

今日は寒かった気がする 寝坊をして鼻毛を切り忘れた 車のミラーで見たらちょっと飛び出ていてアレだった 家を出るのが遅かったから着くのはギリギリになるだろうと私は予想したが何故か道が空いていた いつもバイクのレッドバロンのところの交差点で止まるが今日は止まらなかった 不思議なこともあるもんだと思った 藤子不二雄の漫画で偶然を操作して絶対座れないラッシュ時の電車に座れてしまうというのがあったがそれと似ていた 私たちはそういうものを「流れ」と表現するが実際に流れているわけではなく流さないと認識できないことに由来するのではないか 静止したものが見れない脳の障害があるときく

脳にやさしく

ブルーハーツで「ひとにやさしく」という曲と「NoNoNo」という曲があってそれらを合わせて「脳にやさしく」という歌をつくったことを思い出した まだ駅前にモスバーガーがあったころの話である 田舎の駅なのにめずらしいことであった そういえばケンタッキーもあった ケンタッキーのとなりにはそば屋があって中学のときに何度か行った 友達も一緒だった 外で食べるのが上手な友達がいて私は圧倒的に苦手でひとりでは入れなかった それは今でも同じで調子が悪いとマクドナルドとかコンビニにしか入れなくなってしまう もう私が人見知りだと言っても誰も信じないがやはり懐に入るのが上手い人を見るとうらやましく思ってしまう