意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

うっかり

うっかりお酒を飲んでしまったので、今日は大急ぎで書く。

さっきまで志津とネモちゃんの姉妹と話をしていた。妻はどこかへ出かけていた。いなかったので、私たちは夕飯に蕎麦を食べた。蕎麦だけでは飽きるので、スーパーで買ってきたかき揚げとコロッケがあった。私は各ひとつ食べた。2階へ行き、最初は私と志津だけだったので、少しまじめな話をした。そのうちに音も立てずにネモちゃんがやってきて、洗濯ばさみで遊んでいたら、ひとつの青い洗濯ばさみが割れてしまった。そして私はふと思いつき、2人に
「昔とは、いつのことか?」
と質問をしてみた。これは、2人は7歳も離れているのでなんとか2人ともついてこれる、あるいはついてきてくれる話題を提供しようとした私の苦心の末だ。この質問については、保坂和志の小説入門の本から引用した。その中では、普通の人は⚪︎年前、と答えるが小説のリテラシーのある人は、違う答えをする、とあった。すると2人は
「それは昔のことか、大昔のことか」
と逆に質問されてしまったので、
「両方」
と、私は答えた。よって、2人はふたつの答えを用意し、私は4つの答えを聞く必要があった。
まず志津は昔、については「1年前」と答えた。西暦が更新されると、12月でも昔に感じてしまうらしい。大昔については忘れてしまった。私が忘れたのである。
続いてネモちゃん。大昔:洗濯機がなかった頃。昔:大人が子供の頃、となった。つまり、ネモちゃんの昔の方が志津の昔よりも昔なのである。しかし、今年成人した人に限れば1年前は未成年なので、この場合は同じということになる。ちなみに私は10年前でもすでに25だったので、
「25かよー」
と言った。

ところで私のまちでは明日明後日と祭りが行われ、志津は両日とも友達と行くと言っていた。「行きたくねー」と言っていた。理由を聞くと「バスに乗るのが嫌だ」と答えた。私は父親なので、やはり自転車よりもバスの方がいいような気がした。しかしバス停も家から離れているのでどっちにしても同じだった。ふと東野圭吾の「さまよう刃」という小説のことを思い出した。冒頭で主人公の娘がお祭りの帰りに殺されてしまうのである。そしてその犯人に対して、主人公は次々に復讐をしていく(犯人は複数いるので)という話なのだが、ところで「さまよう刃」というタイトルはあまりに娘を軽視しているのではないかと思った。