意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

妻の小論文

妻が小論文を書いている 妻が通いたいと思っている学校に提出するためのものである つまり小論文の出来・不出来で入学できるかが決まるという 妻がしきりに「小論文て感想文となにが違うの?」と訊いてくる 私はわからないので「わからない」と答えると「なんで? 大卒なのにわからないのか? 嘘をついていないか」と責めてくる 妻は高卒なのである 小論文がなににせよ「○○について書きなさい」とあるのだから○○について書けばいいと思う 


妻が自分の書いたものを「読め」としつこくすすめてくるので読んだら書き慣れていないということはすぐにわかった しかしなんだっていいやと思うので「これで十分 100点までいかなくても85点は堅いよ」とでたらめ言いながらも原稿用紙の使い方だけは教えた 改行したら字下げするところである。字下げする理由は改行のタイミングがちょうど行の終わりにあたると改行に見えないからである 私はこの理由がとても合理的なので好きなのである 妻は「主張が変わったら改行する」子供は「お話が変わったら改行する」と言うが私にはそんな難しいことはわからない 改行するから改行するとしか言いようがない そして改行したことを確実に相手に伝えるために字下げするだけである  


字下げの理由を説明したらつい気持ちが良くなって日本語の添削を少ししてしまった 「様々な」という修飾語がやたらと出てくるので曖昧な言い方はしないほうがいいとぜんぶ×をくれた あとわかりきったことを繰り返していて冗長なのでそれも×にした いっそのことぜんぶ×にしようと思ったが「これ以上短くしたら800字を切ってしまう」と言うから「じゃあいいよ」とやめた 私の文章だって相当ひどいが私のはあまり押し付けがましくないから許されるのだ