私はこの番組のファンだから、たまにつなぎとして総集編が放送されてもそれは仕方ないと納得できるが、やはり見るとバラエティだなと感じて次から見るのはよそうかと思ってしまう。別につまらないわけではなく、例えば台湾のお盆でストリップが行われる放送ではそのシュールさに終始笑っていたが、総集編で司会の住職の前にさっきまでダンサーが使用していたポールがまるかぶりして、その指摘に私は大爆笑したがやはり「ここが笑いどころですよ、安心して笑ってくださいね」と指図されているような気がして、後から空しくなった。だから私はあまりテレビ番組は見ないが、クレイジージャーニーはそれを超える魅力があるから、私としては毎回困惑しながら視聴している。やはり心が揺さぶられる回と、ハズレの回はある。しかしいちばんがっかりというか、損した気になるのはその当たりでもハズレでもない回である。それは総集編の回と、総集編で良く出るゴンザレスの回などである。ゴンザレスとあと、朝寝坊する写真家の佐藤さんは、番組のマスコットと化していて、どうしても「お約束」的なシーンが挟まれる。佐藤さんは朝寝坊でゴンザレスは犬のうんこを踏んづけたり、マンホールに引っかかるシーンだ。私は佐藤さんの名前を出すときに、朝寝坊する、と前置きをしたが、声を出して誰かに読み聞かせたら、そこで一笑い起きる気がする。つまり私はそういう場面に出くわすと、気にくわない気持ちになってしまうのである。以前にも書いたが、私の妻がバラエティ好きで、面白いシーンがあると私が仕事から帰ってきたときに
「面白い番組があったから観なさい」
と私のためにわざわざ番組を頭から再生するのだが、そうやって「面白いもの」とお膳立てされたものが面白いわけないので私はくすりともしない。しかしそうすると妻が怒ってしまうから、くすりとはし、なるべく雰囲気をこわさないよう努める。もちろんこの逆パターンもあって、もっと若い頃妻に自分の気に入った音楽などを聞かせたこともあったが、妻には
「どういうきっかけで聞き始めたか」
質問をされ、やはり自分の趣味に他人を巻き込むのはやめようとそのとき思った。