意味をあたえる

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深沢七郎「みちのくの人形たち」

仕事の休憩中に携帯で保坂和志を読んでいたら小津安二郎の映画の話が出てきて岩下志麻が2階の自室で振り返るシーンが不自然でとても生きている人間のものに思えずホラーだとあってホラーだとは書いていなかったが死のなんとかみたいなことを書いてた。そこが良かったというわけではないが小津安二郎を見たいと思った。私は学生時代に一度「東京物語」を見たきりでそれもほとんどおぼえていない。おばあさん以外の女の人がみんな同じに見えた。白黒のせいもあるんだろう。とにかく私は最近考えることが多くで気持ちが沈みがちなのですが東京物語みたいな作品を眺めるように見たらもしかしたら少しはいいのかもしれない。保坂和志はサラリーマン時代に朝支度をしながらいつも小津安二郎を再生して眺めていたみたいに書いていてそれはいいことだと思った。しかし私の家はいつも「仰天ニュース」だとか「行ってQ」ばかりで小津を再生する余裕がない。たまに空き時間に私の見たいのを再生すると
「これはどこが面白いの?」
みたいな質問をされて大変鬱陶しい。本人は「面白くないよね?」と言いたいわけではなく純粋な疑問をぶつけているつもりなのである。あとこれは家族の話ではないがやたらと「自分の視野を広げる」みたいな言い回しをする人がいてあるいは「世界を広げる」みたいな言い方だがちょっと何言ってんですかみたいな気持ちになる。私はそんな自己弁護みたいな言い回しでなく素直に「つまらなくてもOK」みたいなのでいいと思う。まあいいんじゃない? みたいなゆるい感じ。もしかしたらこれを読む人は私のことをすごいゆるい人かと思うかもしれないが私は字面ほどゆるくはなく割と神経質な面もある。


とにかく小津はそんなかんじだから見るのは難しいし無理に見たらみんな退屈で死にそうになって私が気が気じゃなくなってしまう。スマホだので見ればいいのか。動画サイトにあるだろうか。知らん。調べるのめんどくさい。諦めてたらその後深沢七郎の話になって深沢七郎でもいいかという気になってKindleで検索したらあったからダウンロードした。しかし電子書籍と書籍は別物だと最近思って電子書籍の紙質にも飽きてきた。