意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

砂利

残った雪を踏むのは楽しい 徒歩・車に限らず 車の場合は危ないから片輪のみ雪に乗っけている すると車体がガタガタと揺れた 懐かしい・と思った そういえば高校くらいまで家の前の道は砂利道だった 田舎なんだから当たり前だと思っていた すぐそばに国道が走っていてそれは小学生くらいのときに四車線になった 私の家は裏道沿いで対向車とすれ違うだけで難儀するくらいの狭さだった 水たまりが先なのか凸凹が先なのかとにかく雨が降ると段差が大きくなって次の雨はよりたくさんの雨水がたまるようになった 自転車に乗り始めのころは水たまりが一番の難関で補助輪が水たまりの縁に乗ると後輪が空回りして前に進まなくなる 水たまりは避けなければならないがそうすると真ん中の盛り上がりでバランスを崩すか端に逃げて側溝に落ちるかだった 私は頭から落ちたことがあり下手すれば死んでいたかもしれない 助けてくれたのは近所の主婦だ 立派な塀の家で私はよくそこによじ登った 今から考えれば不法侵入のとんでもない子供だがしかし大人からすればそんな時期はいっしゅんだったのかもしれない いつだったか子供が移動販売の車でお菓子を買ってあげたときにそこの店主がものすごい鼻毛だったことを書いたことがあるが今は学校が長くなったから行かない 行かないともう来なくなったんじゃないかと思う 長いのは過ぎ去る前だけだ 過ぎたことは短い


高校になると国道が立体交差になってそれにあわせて裏道が広がって舗装された まさかこんなマイナーな道が舗装されるなんて思わなかった とつぜんよそ行きの服を着せられたようなかんじだった 免許をとると同乗した父が
「ここは標識がないので必ず60キロ出すように」
と真顔で言った 60キロはスピーディーだった