意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

秋冬

他の人のブログを読んでいると一年のまとめみたいな記事で良くなかったというのが多かった。秋冬の時代に入ったということだろうか。私と同じくらいか少し下くらいの年齢ではないかと推測する。私も数年前に異動になって2年くらいは「タフだな」と思ったがあまり年末に振り返ったりはしなかった。その2年は正月も仕事をしていたが、自分にとってはお楽しみ的な仕事だったので割と明るい正月だった。あるいはやるつもりでもほとんど手をつけなかった年もある。それが息抜きになったのかもしれない。生きてても惨めなだけだ、と思うときもあったが年末にそれを振り返ったりということはなかった。


どこまで会社の犬になるか問題というのがある。会社の犬というのはとても魅力的な生き方である。金儲けの分け前は減るが、すべての責任を会社のせいにできる。ひたすら求められて応えていく人生は楽しい。けれど「そこまでする意味ある?」という疑問が頭から離れない。会社の犬は孤独である。私の会社にも優秀な会社の犬というのがいて常に私たちに向けて吠えてくるが、私はそうなりたいとは思えない。だいたいその人自身も夏秋に2ヶ月くらい休職したのである。戻ってきたと思ったらまた身を粉にし始めているのである。その人の今年はどんな評価なのだろうか。つらかったけど乗り越えて一回り大きくなった、とか思うのだろうか。


私は仕事が楽しいときがあって、しかしその楽しさを追いかけることがものすごく不安に感じるときがある。しかし私に趣味はなく来年は写真でも撮ろうかと思う。そう思って道を歩くだけで道路標識のあまりの汚さに気づいたり駅前の中学の時に食べた立ち食いそば屋の跡地に思いを馳せたりしてしまうのである。あるいは私は楽しさに付随する煩わしさが嫌なのかもしれない。