意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

12月は12時

夕方5時ごろに倉庫の中を通ると、もう薄暗く、それは窓がなくてシャッターも閉まっているからなのだが、天窓はあって、それは青白い四角形の連続になっていて、そこからさす無表情の光のせいで、かろうじて中の棚やコンテナの様子がわかる。これが6時くらいになれば完全に真っ暗になって、通路にはものはないから、普通に歩いてもつまずくことはないが、やはり暗い中を歩くのは怖い。

私は深まる秋に寂しさを覚えたが、同時に冬至は12月だから、それを頂点にして反対側は何月になるのかと時計を思い浮かべ、そうすると2時のところが線対称で重なるぶぶんだから、2月が明るさで言えば同じくらいだろうと見当をつけた。2月のこの時間に同じ場所を歩いたら、きっと段々と昼が増していくことが実感できるだろう。子供のころは春を実感するのは、暖かさのみだったけれど、今は昼夜の長さも感じるようになり、夏なんかは逆に、8月の終わりころになるともう暗くなるのが早くなって、もう夏なんかとっくに終わってる、とか思ってしまう。8時の対称は4時で、そういえば高校時代に夜に工場でアルバイトをしていて、それが確か4月だった。桜が咲いている中を自転車で行って、1ヶ月の短期だったが、終わりのころは結構暑くて上着がいらなくなった。そのときのバイトだったかは忘れたが、友達とやっていて、帰りに田んぼの中にある、掘っ建て小屋のようなラーメン屋に友達が行きたいと言うからそこに寄って、そこは老夫婦が営んでいたが、そのラーメンが旨かったか不味かったかはもうとっくに忘れたが、とにかく友達は翌日にお腹を壊したと言った。私は壊さなかった。そのラーメン屋の道を挟んで向かいが本屋になっていて、その本屋はエロ本がたくさん売っている本屋で、とにかく沢山のエロ本が売っている。ビデオやDVDもあった。

私は小学生の頃に、その本屋を父親に紹介したことがあった。私の父親は漫画もよく読んでいて、いつも行く本屋にゴルゴ13だかの最新刊が売っていなかった、のような理由でそこの本屋を教えてあげた。私は友達から教わったのだが、その当時はまだエロ本を買うような年齢ではなかったから、ファミコン通信とか買っていた。


後になって、その本屋がエロ本メインの本屋であることが、段々とわかってくると、また、店側もエロ本コーナーをどんどん拡張していて、レジも別になっていた。私もエロ本が欲しいとき以外は足が遠のいてしまったが、ふと父もこの本屋を利用しているのか気になった。ちなみに入り口の近くには、英会話の本があったりして、あれは一種のカモフラージュだったのかもしれない。