意味をあたえる

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母と桑原

私は幽遊白書のことをブログに書いたら、母のことを思い出した。書いたのは一昨日だ。思い出された母の方は、日曜日に会った。父と、子供と一緒にファミレスに行き、ステーキを食べた。私はあまりカロリーを取りたくないから、150gのサーロインで十分であったが、親に遠慮していると思われてもアレなので、200gにした。父親は300gをもりもり食べた。しかし、結果的にお子様セットで満足できなかった子供に何切れか分けたので、200gで正解だった。その代わり昨日くらいまで歯が疼いた。私の奥歯の一本に、もう寿命がきているのだ。
「ビールも飲めよ」
と父親に言われて、私は飲んでも飲まなくてもどちらでも良かったから飲んだ。帰りは母に送ってもらい、車は妻が取りにくればいいと、父は言ったからそれに従うことにした。妻に電話は繋がらなかったが、妻が少しでも嫌そうにしたら、私は翌日歩いて取りに行こうと思った。歩いて20分くらいの距離だから少しはカロリーも消費できる。

母は幽遊白書の4人の中では、桑原が一番好きだと言う。4人、というのは浦飯、桑原、飛影、蔵馬である。私は蔵馬押しである。冷静に残酷、という彼のスローガンが、当時の私をひきつけた。ちなみに全てのキャラクターでいいのなら、美しい魔闘家鈴木か、戸愚呂兄に体を乗っ取られた巻原が好きだ。美しい魔闘家鈴木は、戸愚呂弟に破れるまでは強い妖戦士田中だった。

ところで何故母が幽遊白書を読んでいたのかと言えば、当時の我が家のシステムに秘密がある。私は漫画を買う金がなくなると、その漫画を1巻から母に読ませて母が続きが気になるように仕向け、続きを買う金をゲットするのである。こうやって母は幽遊白書るろうに剣心、シュート、イレブン、金田一少年の事件簿名探偵コナンを買わされた。私が親の立場になって思うのは、これはとんでもないシステムである。大して興味もない漫画を読まされる上に、続きを買わされるのである。しかし、私の家は父も含めて家族全員が漫画を読んでいたから、それほど嫌じゃなかったのかもしれない。

それで、私は母に「幽遊白書なら誰がいい?」と質問したら、「桑原」と母は答えた。考えてみると母はいつも顔が潰れたような、人気のない個性的なキャラを選んだ気がする。思うにこれは、潰れたようなキャラが好きと言うより、人気がなさそうなのを、可哀想だから「好き」と言ってたような気がする。私は今、書きながらそう思ったのではなく、その質問した当時からなんとなく思っていた。母はそういうところがあった。

ちなみに、私の父は、顔が潰れてはいない。しかし、背が低く、153センチしかない。母は160センチくらいあり、しかも父よりも1歳年上なので、私は幼いころ、背丈と言うのは年齢に比例し、従って父が母よりも小さいのは当然で、この先も追い抜くことはない、と解釈した。しかし私は小学5年のときには、もう父の背を抜いてしまった。

そう言えば桑原の背は、4人の中でいちばん高かった。