私は昨日の記事で、恐怖心から文字を綴る、と書いた。それがなにであるかを、述べるつもりはないが、今日になって恐怖とは、それは死者に対する恐怖ではないか、と思った。なぜなら私は昨日ベッドの中で記事を更新していたが、最初は横向きになっていたが、だんだんとその体勢がしんどくなったので仰向けになり、思い切って手は布団の外に出した。おかげで私の指先はかなり冷え切ったので、私は大急ぎで文章を書く必要に迫られた。隣のネモちゃんはそんな私の様子を眺めていた。ネモちゃんは冬休みになって、夜更かしをするようになったのである。わかりにくい説明だが、冷たい手から、私は死者を連想したという話である。
そのことに気づいた私は、さっそく昼休みに坂本慎太郎の「ナマで踊ろう」というアルバムを購入した。私の全く知らない音楽であったが、数日前に読んだブログで紹介されていて、興味を持ったのである。それは、全身のドクロがキーボードを弾いているというジャケットのデザインであり、やはり死者を連想する。しかし私はこのドクロに対して、懐かしい感情を抱いた。
私の父はゴルゴ13を読んでいたから、我が家にはそこら中にゴルゴ13があり、あれの裏表紙には、棘の冠をかぶったドクロが、こちらを振り向くようなポーズをとっており、これはキリストなのだろうか。ゴルゴ13を知らない人のために解説をすると、ゴルゴ13の「ゴルゴ」はゴルゴタの丘のことであり、これはキリストが磔にされた場所を指し、13は13日の金曜日の13だ。つまり日本風に言えば黒猫4とかいう名称になるのか。どうでもいい。とにかくゴルゴ13は暗殺者であるから、こういう物騒な名前をつけたかったのである。ちなみにゴルゴのライバルで虫(インセクト)というのがいて、虫をあぶり出すために、ゴルゴは大勢のエキストラを雇ってセットを変え、とある村を第二次大戦当時の姿に変えた。てっきりタイムスリップしてしまったと勘違いした虫は、教会を飛び出し、そこをゴルゴに撃たれるのである。
話があちらこちらに飛ぶが、とにかく私はまだ子供だったから、背表紙の棘の冠ドクロが怖かったので、私は今日に至るまで、ドクロのデザインの服を着たことがない。もちろんアクセサリーも含む。
骨と言えば「血と骨」という映画もあったが、あれも面白かった。