意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

途中式(21)

下関川が疎んじているのは淀川よりもパートの岡崎で岡崎は仕事は適当だしよく居眠りをする もう60歳を過ぎていて60歳を過ぎてから犬を飼い出したから無責任な人である 立川が「犬よりあんたの方が先に死ぬんじゃないか?」と指摘すると「そんなに長生きするんですか?」と目を丸くした 立川が「20年生きる場合もありますよ」というと「ペットショップの店員は12、3年て言ってた」と言い返す 寿命がスマホのバッテリーみたいな扱いである そういえば岡崎のスマホは画面が割れている 割れていても「イオンのスマホなんだ」と得意顔なのである 格安スマホだから時代を先取りしていると思っているのかもしれない 犬はどうなってしまうのか


立川も犬を飼っていて立川は「犬のくせに散歩を嫌がる」とこぼすがこれもなんか怪しい 勝手に嫌と決めつけただけではないか しかし岡崎とのやりとりを見ると責任感はありそうだ ちゃんと犬に疎い私には「犬」と話す 前の会社では「うちの子」と話す人がいた その犬がある日死んでしまって何日かお通夜みたいになった 私は一応気の毒がったが出入りしている事務機屋のおじさんが「たかが犬だろ?」と本人に言ってものすごい雰囲気になった 犬の性別はわからないが飼い主は女だ 弟が結婚詐欺にあったりと話題に事欠かない人であった