意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

途中式(29)

淀川については書くことがたくさんあるがそれが書くに値するかはちょっと私にはわからない  私は入社当時から淀川には苦手意識を持っていて一年経たないうちに下関川が入ってきて淀川の標的が移ると私はほっとした 下関川の入社が決まったときに淀川はすぐに
「今度の新人は独身と聞くが独身はすぐ辞めてしまうから心配だ」
などと言ってきて入ってくると
「独特な人だ」
などと急に私を同格に扱うような口振りで話すのであった ただ実際に下関川も独特なところがあって彼自身もそれを認めていた しかし私からすると割と馴染み深い「独特さ」でむしろそういう特徴の人のほうが多いのかもしれない 独特なのは私の方で事実淀川は私のことも「独特の考え方」と評した そのとき淀川は激昂していて私は当時はまだ彼より立場が下だったので平謝りするしかなかった それは事務リーダーの日比野さんが辞める直前の時でそれは結局のところ上司であるT所長にさんざん噛みついたからでしかし淀川はその事実は自分しか知らないと思いこんでいて私が
「日比野さんなんで辞めるんですか?」
と口にすると余計なことを言うなと突然淀川が怒り出した