意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

途中式(31)

三谷さんの降格はむしろもらい事故的な雰囲気があったが三谷さん自身はそのことを我々には教えてくれなかった T所長も同じでT所長はなるたけ私たちと距離を置きたい風であった たまに隣室から私たちのラジオがうるさいと苦情を言うことがあった その頃ラジオ番組も改編があってそれまでのパーソナリティが大阪に行って代わりに元芸人の人が番組を持ったが何故か彼女は元芸人であることを隠している風であった 前のときは積み荷当てクイズというコーナーがあって立川が「俺も出るか」と言っていたが出る前に番組は終わった 立川はラジオによく投稿していたらしいがついになんて言うラジオネームか教えてくれなかった 新しい番組はやたらと「女性のための」を強調するので私たちは疎外感を持った やがて誰ともなく「別にこの局じゃなくていいんですよね」と言い出しじゃあ新しい番組探そうとなってそういうときにいちばん張り切るのは決まって淀川だった 淀川は私の「ラジオの下に固いものを置くと音が良くなるんですよね」という言葉を真に受けホームセンターでコンクリートブロックを買ってきたこともあった 音は良くなったのか結局ノイズが入るからよくわからなかった いくつかの局を試したがやたらと年寄り向けだったりあと声がガラガラの女子プロレスラーみたいなパーソナリティだったりしたので結局いつもの局に戻った ラジオというのはどの番組も馴染みづらいもので少し辛抱しないと面白みをかんじないものなのである そのうち立川が別室の作業の時に自分のiPodを流すようになってみんなそのときは自分の曲を流すようになった