意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

カレンダーもなければ時計もない

年明けに家に帰ると時計が止まっている。この場合の家とは私は今は単身赴任で平日はひとりで暮らしているその家のことである。正月に実家へ帰り、戻ると時計が止まっていた。頻繁に止まる時計でそういえばどこかで「マンガン電池だから止まってしまうのか」と書いた気がする。電波時計だから電波の入りが悪いのかと窓際に置くことにした。


しかし癖というのはそう簡単には抜けないのでつい元あった場所に目を向けてしまう。そこには時計をかけるフックしか残っていなくて下手をするとそれが壁にしがみつく虫に見えてぎょっとする。年末家でファンヒーターを目一杯つけていたらどこからか蚊がふらふらと飛び出してきて目障りだった。夜になれば寒くて引っ込むだろうとわかっていてもついに潰してしまった。しかし壁に止まっていたのは虫ではなくフックだった。時計は最初すっとんきょうな時刻を示したが1日仕事に行って帰ると元の時間に戻っていた。明るいうちにたっぷり電波を浴びて機嫌がいいのかもしれない。マンガン電池ではひもじいのだろう。


年が明けたのでカレンダーも新調しなければならない。幸い今年も弟にもらえたが荷物が多くてまだ持ってこれていない。カレンダーは去年に会社にかけるつもりで持って行ったら違うのをかけられてしまい、仕方ないので家にかけたのが始まりである。カレンダーも壁に掛けてあるとつい見てしまう物のひとつである。三りんぼうとはなんだろうといつも思う。会社のカレンダーがしばらく去年のままで不便な思いをした。早速言って掛け替えてもらったが今度は去年の日付が見たくて不便な思いをした。去年はとても大きなカレンダーだったから前月も来月も再来月もみんな出ていたが今年のは小さいから見たい日付が出ていない。


去年の大きいのをくれたところとお付き合いが続けば良かったが何せ要領の悪い営業で何を売りたいのか話しているうちにわからなくなってしまうタイプであった。会社の上の人の紹介だからこっちも辛抱強く付き合ったが、最後は面倒くさくなって放っておいたら何も連絡がこなくなった。